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zoom RSS 父/パードレ・パドローネ

<<   作成日時 : 2016/03/16 15:14   >>

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Padre Padrone
1977年/イタリア (監)パオロ・タヴィアーニ ヴィットリオ・タヴィアーニ
(演)オメロ・アントヌッティ サヴェリオ・マルコーネ ナンニ・モレッティ 
☆☆☆★★★

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イタリア、南部サルジニア島を舞台に、タヴィアーニ兄弟によって描かれる「オイディプス神話」。そして、この作品は言語学者のカビーノ・レッダの自伝をもとにした実話です。

主人公のカビーノは、「義務教育など必要ない、羊飼いとして働かなければ飢え死んでしまう!」という理由である日突然、小学校の教室から連れ出されてしまう。そして羊飼いとして一人前にあんるために、人里離れた山小屋でたった一人の生活を強いられるのだった。やがて20歳になり成人した彼は、父親の強制で軍隊へ入隊させられる。

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文盲であった彼は、軍隊で文字とともに様々な知識を吸収し、さらに大学へ進学しやがては言語学者となるのだった。家族の中において圧倒的な力を持つ父親の呪縛。主人公をしばる閉鎖的な島での生活。それを乗り越えるための教育の力の重要性を痛感させる物語であるとともに、私は、本来の人間という生き物の姿も再認識させられた気がしました。

成長したカビーノを演じたサヴェリオ・マルコーネはトム・ベレンジャーとかポール・ウォーカーみたいなハンサムです!

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人間は自然を相手に、宗教や法律の大きな縛りがなければ、実に動物的な本能をベースに生きていくものなのだな・・と。子供たちが性欲の処理のために動物を使うシーンなどにそれがよく現れていたし、文明社会で一定の道徳観念で生きている私たちから見ると、忌まわしく不潔なものに見えるけど、それが自然な人間な姿なのだな・・と思うし、近代社会になるまではこんな生活が世界中で営まれていた。

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それを決定的に変えたのが教育の普及だと思うし、原作のカビーノ・レッダ氏は苦く忘れがたい父の記憶とともに、その事を伝えたくて自伝を書かれたのではないかと思いました。

映画は、素人が編集したのではないかと思う様な、粗い手法で展開していくのですが、これは計算されつくされたものだろうと思う。政治的なテーマこそないけれど、イタリアンネオリアリズムを継承する作品なのかな・・という思いも抱きました。

それとサルジニア島という島の存在と文化を知る事が出来たのも良かった。軍隊内で、「方言禁止令」が出ているとか、とても興味深かったです。

久しぶりで、イタリア映画らしい映画を見た満足感で満たされました。

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コメント(6件)

内 容 ニックネーム/日時
こんにちは。
20歳まで他者とのかかわりがなく文盲で、そこから大学に入って言語学者になるなんて、しかもそれが実話だなんて驚きます。
でも日本も貧しい時代には(ここまで極端ではなくても)こういうことがあったかもしれませんね。今は教育も一応ゆきわたり、物質的にも豊かになったけれど、かえってやり直しの効きにくい世の中になっているような気もします。
この作品、きっと私の好みだと思います!いずれ見てみたいです。
セレンディピティ
2016/03/17 17:55
セレンディピティ さん

こんばんは!
この映画、淡々とした作品なのですが、実話という事もあり、とても興味深く観賞出来ました。

字が読めない上に、方言を使ってはならないって言う規則になってるので、主人公は友達の勧めで辞書を最初から暗記しはじめるんですよ。それが、言葉への興味をかきたてたのでしょうね。

家族の中で圧倒的な力を持っている父親の存在は、ジェフリー・ラッシュの「シャイン」(ご覧になりました?)をちょっと思いだしたりしました。

私、時々考えるのですが、今までの歴史の中で、実はノーベル賞受賞レベルの頭脳を持ちながら、一生、百姓とかで終わった人がどれくらいいるんだろうな〜。
そう考えると、教育が多くの人にひらかれる様になった事は、人類の為でもありますよね。
ごみつ
2016/03/18 00:05
こんにちは。
この作品、枚数が少なくてなかなか借りられなかったのですが、先日ようやく見て、打ちのめされました。
彼のような境遇の少年は特別ではなく、昔の農村では多かれ少なかれこういうことがあったのですね。
彼が最初に出会った文化的なもの?がアコーディオン、というのにもなんだか感動してしまいました。音楽の力ってすばらしいな...と。誰も話し相手がいなかったから音楽が支えになったのかもしれませんね。

なんとなく納得できなかったのが、あんなにひどい扱いを受けたのに、どうして父のところにもどったのだろう、ということ。やはり故郷というのは特別な場所なのでしょうか...。
セレンディピティ
2016/04/22 13:01
セレンディピティ さん

こんばんは!
わ〜、ご覧になったんですね。

近代以前は、それこそ世界中がこんな感じだったのでしょうが、この作品みたいに、つい最近まで地方の貧しい地域では教育がいきわったていなかったり、家族から理解されなかったりとかあったのかと思うと驚きますよね。
この作品だと、出身地が島っていう閉鎖された空間なのも大きかったのでしょうね。

現代の視点で見ると、父親が許せないくらい横暴に見えるけど、この父親は父親なりに家族のために働き続けてきた人ですしね。
親子、家族の絆もあるでしょうし、やっぱり子供時代を過ごした故郷への感慨もあるのだろうと思います。

見て良かったって思える作品ですよね。
ごみつ
2016/04/23 01:18
ごみつさん、こんばんは。ご無沙汰してます。

先週、イタリア映画祭でタヴィアーニ兄弟の新作「素晴らしきボッカッチョ」見て衰えぬ創作力を確認してきました。
「パードレ・パドローネ」は私がイタリア映画というより、イタリアという国に魅了される大きなきっかけとなった作品だからほんとうに思い出深いです。日本での初公開は、テレビ映画としてNHKで放送された時だったんですよ。どこかは想像つくと思いますが、さすがにカットがありました。テレビという媒体では仕方なかいですね。
若い頃に見た時には、私はこのおとっつぁんは敵対すべき対照としか見られなかったのですが、こちらが年取ってくると、家庭内では専制君主でも外では弱い立場であり、息子が自分の懐から巣立っていくことへのさびしさや焦りも抱いているのが分かるようになるんですよねえ。息子が父を超えるのが、体力とそれから知力で上回った時というその直接的な荒々しさにものすごい衝撃を受けました。
何年か前にNHKでサルデーニャ島のチーズ作りの番組がありましたが、さすがに今ではもう一人で山にこもって羊の番するなんて人はいないとか。

それからこれも忘れちゃいけない!イタリアで上演されたオペラのDVD買って見てたら、なんと演出がガヴィーノ役のサヴェリオ・マルコーネだったんですよ!カーテンコールで本人が登場しましたが、白髪の老紳士になっていました。

2016/05/08 20:58
夏 さん

こんばんは!
こちらこそまたまたちょっとご無沙汰してしまいましたが、コメントどうも有難うございます。

この映画、夏さんのイタリアへの興味のきっかけとなった作品なんですね。劇場公開前にNHKで放映されてたのは初めて知りました。確かにあのあたり(笑)の描写は赤裸々なのでテレビではカットやむなしでしょうか・・。

このおとっつぁんは、確かに相当横暴なのですが、当時はこういう父親のありかたが普通で、おとっつぁんなりにがんばって家族をささえていたので、私も憎めませんでした。
今、この年になって観てるからそう感じるのかもしれませんね。

それとガヴィーノ役の方は舞台演出家になられたんですか!今、ちょっと画像検索してみましたが、ホント白髪の老紳士ですね。この方、ハンサムですよね〜。

また次回お会いした時に、色々お話するのを楽しみにしてます!

あ、サルデーニャ島のチーズ、食べてみたいな〜。
ごみつ
2016/05/09 00:02

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