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zoom RSS 中島敦全集 全3巻 1 中島敦という作家

<<   作成日時 : 2016/04/19 13:20   >>

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中島敦著 ちくま文庫
☆☆☆★★★

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ずいぶん前に購入していたものの未読になっていた中島敦の全集3巻をやっと読みました。漢詩、日記、書簡の類は流し読みしてしまいましたが、未発表の作品も含めて彼の小説、エッセイは全作読んだ事になります。

中島敦の作品は何と言っても、学校の教科書に採用されている事もあって「山月記」が一番有名だろうと思うのですが、「山月記」も含めて中国の古典を題材にとった作品がどれも素晴らしいので、長らく気になっていた作家でした。

今回、全ての作品を読んで感じたのは、彼の博識ぶり、そして病弱なインテリにありがちな妄想癖、頭でっかちな苦悩と厭世感の描写の多さで、中国古典を題材にした作品だけでは読みとれない、彼の複雑性を知る事が出来ました。

中島敦は1933年東京大学国文科を卒業後、横浜高等女学校に就職。1941年にパラオ南洋庁国語編集書記として赴任、1942年に南洋庁を辞して本格的に作家生活へ入ろうとしたものの、長く闘病してきた持病の喘息が悪化して同年42年に33歳の若さで亡くなっています。

小説を書き始めたのは27歳の頃で、作家生活はわずか5年。

広く知られている中国古譚ものはほぼ晩年の作品なのですが、仕事をしながら書き続けていた作品群の大半は自分の人生を投影させたもので、その中で作家自身の心情が毎回の様に吐露されていきます。

この全集3巻は1ケ月ほどかけて読んだので、その間、中島敦の世界と一体化するがごとき読書時間で、たまにとても辛かったです。まだ若い中島敦が南洋の原始的な生活(パラオ)の中で、東洋思想と西洋思想の狭間の中でアンビバレントな感情を強いられ、自分自身を見出す事が出来ないでいる姿が、自分自身とも重なる感じがしたりもしました。

もちろん私自身は比較にならないくらい低レベルのものだし、表現者ではないので人生に差し支えないからどうでも良いんですけどね。^^;

作品の中で、彼は自分自身を嘲笑してこんな文章を書いています。

前略 〜 お前の中にいる「古代支那の衣冠をつけたいかさま君子」や「ヴォルテエル面をした狡そうな道化」と来たら、どうだ。〜 後略

(「中島敦全集2」77ページ「真昼」より抜粋引用させていただきました)

前略 〜 全くの所、私のものの見方といったって、どれだけ自分のほんものがあろうか。いそっぷの話に出てくるお洒落鴉。レオパルディの羽を少し。ショペンハウエルの羽を少し。ルクレティウスの羽を少し。荘子や列子の羽を少し。モンテエニュの羽を少し。何という醜怪な鳥だ。

(「中島敦全集2」 214ページ「かめれおん日記」より抜粋引用させていただきました)

作品についてはその2へ続きます。

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