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zoom RSS 松本清張プレミアムミステリー

<<   作成日時 : 2016/05/26 17:25   >>

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友人が今、松本清張にはまっていてミステリー関係は全作制覇を目指しているらしいのですが、読んだ本の中から先日3作貸していただきました。

面白くてあっという間に読了。やっぱ松本清張は良いですよ〜!私も全作制覇したくなってきたワ。(笑)

今回お借りしたのは、光文社の松本清張プレミアムミステリーというシリーズの中の3冊。けっこうあまりみかけない作品が多くて(アンソロジーには入ってるかもですが)どれも初めて読む作品でした。

「分離の時間」

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代議士の八木沢がホテルで絞殺された。新聞記事を読んだ広告代理店の外交員・土井は、一月前に乗ったタクシー運転手の話を思い出す。運転手は、京橋の明和会館前で乗せた六十過ぎの紳士に口説かれたというのだ。この紳士が八木沢だと確信した土井は、友人で雑誌記者の山岸と事件を追うが…(表題作)。自動車メーカーの企業エゴイズムを衝く「速力の告発」も併載。(文庫解説より)

主人公がふとした事に興味を魅かれ、個人的に調査を開始するのですが、よく考えるとこんなに物好きな人間がいるはずないよな・・と思いながらも、一気に読ませてしまうのが松本清張の凄いところだと思います。これは他の作品全体に言える事なんですが、文章の力技で押さえつけちゃうところがあるんですよね。

この「分離の時間」と「速力の告発」はどちらも当時の車社会をテーマにしたところがあって、社会風俗の記録としても貴重だなと思いました。「速力の告発」はミステリーと言うよりも社会派小説だな・・なんて思いながら読んでるとラストで「え!?」と思っちゃいますよ。「急にくるか、そこ!?」みたいな。(笑)

「花実のない森」

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会社員の青年・梅木隆介はある夜、夫婦と名乗るヒッチハイクの男女を車に乗せた。高貴さをも漂わせる美女と粗野な中年男は、まるで不釣り合いなカップルだった。好奇心が燃え上がる梅木は、車に残された万葉の古歌が彫られたペンダントから女の正体を突き止めようとする。だがそれは、甘い死の香りが漂う追跡行だった。謎が謎を呼ぶロマンチック・サスペンスの傑作!(文庫解説より)

これもけっこう常識的にはムリがあるな・・って感じる内容なんだけど、実は女性の自由が限られていた当時にはあり得なくもない設定なのかなとも思ったりしました。(内容は書けないんですが・・)何か、手塚治虫のマンガとかにもありそう。

昭和は良かった、昔は良かった、って懐古趣味で言われるけれど、昭和ってなかなか残酷な時代ですよ。特に女性の行動範囲は本当に制限されていた。そしてそういう時代だからこそ生れてくるドラマっていうのがあって、松本清張のミステリーはそれが魅力のひとつでもあるんですよね。

「山峡の章」

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朝川昌子は九州旅行で出会った経済官僚の堀沢と結婚する。エリートの堀沢の冷たさに違和感を覚える日々が続くが、結婚生活は突如崩壊する。堀沢と昌子の妹の伶子が失踪し、宮城県山中で死体となって発見されたのだ。二人は不倫心中と見なされ、堀沢にはスパイ疑惑までもが。昌子は自ら真相究明に乗り出す…。若手官僚の死の謎に秘められた国際的陰謀を描く傑作!(文庫解説より)

これは「ゼロの焦点」みたいな内容で、この3冊の中では一番気に入りました。何不自由なく育った女性が、エリート
男性と結婚するも、その彼は大切な妹とともに死体で発見される。不倫の上の心中として事件は片付けられるのですが、それはあり得ないと確信する主人公の昌子は一人で調査をはじめます・・。

当時の女性が、許される範囲で、持てる力と精神力の限りをつくして行動するのが、胸に迫るんですよね。

この3冊は、名作、傑作とされるレベルの作品ではないけれど、今では忘れ去られつつある、昭和という時代の空気とともに、松本清張の創作力、文筆の力をひしひしと感じる事のできる読書時間でした。

もっと読みたいぞ〜!

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
おはようございます。
松本清張、おもしろいですよね!
読み始めると一気に読んじゃいます。^^
私も一時期よく読んでいた時期がありましたが、この3冊とも知りませんでした。多作の作家さんでもありますね。

交通事情とか、通信事情とか、今と違ってまだるっこく感じることがありますが、特に女性の描かれ方が今とはまるで違って愕然としますね。思えば昭和は女性には生きにくい時代だったのでしょうね。
セレンディピティ
2016/05/27 07:33
セレンディピティ さん

こんばんは!
私も一時、物凄く読んでた時期があります!
誰でもはまっちゃいますよね、松本清張は。

貸してくれた友人が、これなら読んでないと思うと選んでくれたのですが、この光文社(カッパノベルスの)シリーズは、わりと地味な作品が多いみたいで、内容は小粒なのですが、楽しく読めました。

作品の背景もほんの数十年前なのに、世の中は本当に変わったな〜って思わされます。
お妾さんとか普通に出てきますしね。
でもでも、そんなところが今の小説にはない醍醐味でもあるんですよね。

松本清張はミステリーだけでも凄い数出てるんですけど、他に時代小説、歴史小説なんかもあるから本当に凄いです!
ごみつ
2016/05/28 00:57

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