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zoom RSS 武士の家計簿

<<   作成日時 : 2016/07/14 16:09   >>

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2010年/日本 (監)森田芳光
(演)堺雅人 仲間由紀恵 伊藤祐輝 嶋田久作 宮川一朗太 草笛光子 西村雅彦 松坂慶子 中村雅俊
☆☆☆★★

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原作は新潮新書から発行されている磯田道史の『武士の家計簿「加賀藩御算用者」の幕末維新』。磯田氏は神田の古書店で幕末の下級武士一家の家計簿を偶然見つけ、その詳細な内容から当時の彼らの暮らしぶりを読み解いていく。書籍はベストセラーとなり、それを映像化したのがこの作品です。

幕末。御算用者(会計係)として代々加賀藩に仕える猪山家。その八代目の直之(堺雅人)も幼い頃より算術を仕込まれそろばんの腕を磨いてきた。そしていつしか「そろばんバカ」と揶揄されながらも実直な仕事ぶりを評価され昇進する。

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しかし昇進にともなって出費もふくらみはじめる。家計が苦しくなってきた頃、父母にかわって家の財政状況を調べてみた直之は、猪山家の借金が年収の2倍にまで膨れ上がっている事を知る。お家存亡の危機を前に、直之は家財一式を売り払い倹約生活を実践していく・・。

こういう時代劇も良いな・・と心から思いました。以前、黒澤明監督がインタビューでおっしゃていたのですが、時代劇を撮影するにあたって、リアリズムを追求しようと脚本の橋本忍氏達に文献を調べさせてみても、武士たちの日常生活に関する事というのはほとんど資料が残されていないのだそうです。

何時に起きて、食事は何時に何度とるのか、そんな基本的な事すら記録が残っていないと。

そんないきさつを知っていた事もあり、原作のもととなった家計簿の発見が大きな資料である事はすぐに想像がつきました。

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時は幕末。もはや武芸で出世をする時代ではとうになくなっていて、武士たちもサラリーマン化している。それでも、武士としての対面を保たないといけないので、下級武士の家計は火の車になっている。加賀藩は言わずと知れた前田家の藩主とする100万石大名ですが、幕末には藩の財政もかなり厳しくなっていた。

飢饉も頻繁に起きていて、その度に藩からは救済米を出していたのですが、途中で横流しの不正が起きそれを帳簿上から発見した主人公の猪山直之は、藩主の側近の御算用者に出世したりします。

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直之は、息子の直吉も立派な御算用者として厳しく育てていくのですが、息子が成人した事に明治維新が起きる。そろばん馬鹿として生きたくない!と父親に吐き捨て、戦へと赴いた直吉は、彼が軽蔑してきた御算用者としての腕を買われ、新政府軍の会計職につく事となり、やがては大日本帝国海軍の主計官となります。

幕藩体制から明治政府へ・・。こんな大きな変化のあった時代を生きる・・というのはどんなものだったんだろう。親から子へ、子から孫へ・・と時代の変遷を共有しながら、異なる価値観を持ちながら、絶えず歴史は流れていくのだ・・という感慨を感じた作品でもありました。

ラスト、仲違いをしていた父親の元へ戻ってきた直吉は、老齢となりすっかり弱っていた父の姿を見る。「城へ行きたい・・」という父をおぶっていく直吉の姿が忘れられません。このあたりは、ドラマ的な演出だと思うけれど良いシーンでした。

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お勧めです。


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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
こちらにも...。
偶然ですが、この作品、私も近々見る予定です。
原作は小説ではなく、新書だったのですね。
御算用者というおもしろい視点が楽しみです。

そういえば、私も小学生の頃そろばんを習っていたし、計算は嫌いではないのですが、家計簿は苦手で、つけたことがありません...^^;
セレンディピティ
2016/07/19 09:05
セレンディピティ さん

こちらにもコメント有難うございます。
セレンディピティさんもテレビ放映を録画なさったのかな?
そうそう、これの原作はフィクションではなく、教養書系の本で、それをもとにドラマ化させたみたいです。

傑作というほどではないのですが、なかなか面白く出来ていました。

この家では借金が莫大になってしまい破産寸前だったため、家の家計簿をつけてレッドアラート緊縮財政をしいたんですよね。(笑)だから家計簿を本当に細かく記録していたんだろうと思います。

こんな些細な事が、後世の歴史家にとっては重要な資料になるんだから面白いですよね。
ごみつ
2016/07/19 14:52

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