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zoom RSS トランボ ハリウッドに最も嫌われた男

<<   作成日時 : 2016/08/08 20:09   >>

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Trumbo
2015年/アメリカ (監)ジェイ・ローチ
(演)ブライアン・クランストン アドウエール・アキノエ=アグバエ ルイス・C・K・ デヴィッド・ジェームズ・エリオット エル・ファニング ジョン・グッドマン ダイアン・レーン マイケル・スタールバーグ アラン・テュディック クリスチャン・ベルケル ヘレン・ミレン ディーン・オゴーマン
☆☆☆★★★

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http://trumbo-movie.jp/

1940年代から50年代にかけてアメリカで猛威をふるった赤狩りによってハリウッドを追われながらも、偽名で活動を続け「ローマの休日」など数々の名作を残した脚本家ドルトン・トランボの姿を、家族との関係の描写とともに描いた作品。

第二次大戦後、米ソ冷戦体制が始まると、アメリカでは共産主義思想への弾圧がはじまり、その糾弾の矛先はハリウッドにも向けられる様になる。トランボは才能豊かな売れっ子脚本家だったが共産党員だった為、公聴会に呼ばれ証言を強要される。

ヘッダ・ホッパー(ヘレン・ミレン)

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しかしそれを拒んだため、トランボは法廷侮辱罪に問われて刑務所へ入れられてしまうのだった。1年後出所した彼はブラックリストにのり、ハリウッドからの仕事の依頼はまったくこなくなるのだが・・。

先日観たコーエン兄弟の「ヘイル、シーザー」ではまんまこの時代の事がコメディタッチで描かれていた事もあり、その時に予告編がながれていたこの作品、とっても楽しみにしていました。

ジョン・ウェイン(デヴィッド・ジェームズ・エリオット)

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ダルトン・トランボと言えば、私にとっては「ジョニーは戦場へ行った」で心に残っている脚本家、監督でしたが、ここで描かれた様な赤狩り(マッカーシズム)時代のあれこれを知るのは今回がはじめてでした。

冷戦時代は子供心に多少の記憶があるので時代の空気感がちょっとだけわかるのですが、当時、特にアメリカの共産主義の台頭への恐怖と警戒感はハンパじゃないものがあったのだろうと思います。時代が生んだ集団ヒステリーな側面があったのでしょうが、それにしても映画の様な娯楽をメインとした世界にもこれだけの弾圧が生じていたというのは、本当に恐ろしいなと思いました。

エドワード・G・ロビンソン(マイケル・スタールバーグ) 彼、気の毒だった・・。

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映画でも最初の方では、弾圧を強めて行く政府の見解に対してマスコミが「映画なんかが驚異になるんですか?」なんて笑ってたりしましたが、それが徐々に社会全体に浸透していく様は恐ろしいですよね。

トランボは、自らが共産主義思想の持ち主ではありましたが、公聴会ではアメリカ合衆国憲法修正一条の「言論と集会の自由を規定した条項」を理由に黙秘を続け、刑務所に入れられてしまいます。

カーク・ダグラス(ディーン・オゴーマン) 自分の主演作「スパルタカス」の脚本の実名での手直しをトランボに依頼しに来ます。

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この作品、トランボを演じたブライアン・クランストンの名演もあって、本当に素晴らしい映画でした。アメリカの一つの時代を知る上でも是非多くの方に見ていただきたいな・・と思いました。

オットー・プレミンジャー(クリスチャン・ベルケル)「栄光への脱出」の脚本を依頼にきます。

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映画を見ながら一番強く思ったのは、「私、トランボみたいな人間でありたいな・・。」っていう事でした。思想云々は民主主義の社会において個人の自由。それが認められているからこその民主主義なのだから、それをあくまで貫きとおした事がまず凄いです。そして最もみならいたいと思ったのは、常に現実に目を向けながらユーモアの精神を失わずにいた事。

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映画を愛し、仕事を愛し、家族の絆を大切にし続けた事。ここが最も私の心を打ったところでした。

ブラックリスト入りしてしまい全く仕事を干されてしまった脚本家たちに仕事与えたのはB〜C級の映画を量産していたキングス・ブラザース。このシーン、ホント、胸がスカっとするので是非映画見てみてね!

フランク・キング(ジョン・グッドマン)

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ラストのトランボの演説シーンで、彼が言ったセリフが忘れられません。意訳ですが「あの時代、本当に辛い目にあった人はたくさんいた。ある者は命も落した。それでも言えるのは、あの時代に攻められるべき悪人はどこにもいなかったという事なのです。」

実際の映画人が多数登場する事もあり映画ファンにはたまらない作品でもあると思います。超お勧めです!




トランボ ハリウッドに最も嫌われた男
世界文化社
ブルース・クック

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映画「トランボ」
『トランボ』 "Trumbo"(ジェイ・ローチ監督2015年) ...続きを見る
Il quaderno d'Estate
2016/08/11 23:45
トランボ ハリウッドに最も嫌われた男
1950年代の赤狩りの時代に「ローマの休日」などの名作を送り出した脚本家、ダルト ...続きを見る
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トランボ ハリウッドで最も嫌われた男
 『トランボ ハリウッドに最も嫌われた男』を日比谷のTOHOシネマズシャンテで見ました。 ...続きを見る
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コメント(9件)

内 容 ニックネーム/日時
こんにちは。
私も先日、トランボを見てきました。
赤狩りがテーマですが、ユーモラスな部分もあって楽しく見れる作品でしたね。

映画を見る限り、トランボの思想って共産主義といえるほどではないようにも思ったのですが...それにしてもあの時代に自分を貫き通したというのがすごいことですね。
彼の信念を尊重し、支えた家族もすばらしいと思いました。
セレンディピティ
2016/08/10 16:33
セレンディピティ さん

こんばんは!
「トランボ」良かったですよね。
あの頃のハリウッド映画には思い入れのある作品も多いし、色々な俳優さんも登場してとても楽しく観賞出来ました。

トランボの政治思想そのものはこの作品では語られていないので、私もよくはわからないのですが、共産党に入党していた位だからそれなりの強い考えはあったのだろうとは思います。

先日、記事にもした「ヘイル!シーザー」では、このハリウッド10(をモデルにしたグループ)がジョージ・クルーニーを誘拐しちゃうんですよ。(笑)これも面白かったので是非DVDででも見てみて下さいね〜。
ごみつ
2016/08/11 01:36
ごみつさん、こんばんは。感想お待ちしていました!
早速のTBありがとうございます。TB返しよろしくお願いします。

「トランボ」見た後に思い出したのは、第一回の東京国際映画祭のオープニングの見物に行った時のこと。映画祭の委員長がグレゴリー・ペックだったのですが、時のレーガン大統領がペックはその役目にふさわしくないとケチつけたのが日本のニュースでも報道されました。ペックはオープニングで、レーガンに皮肉たっぷりに応酬…なんでこんなに二人は仲良くないんだろう?そもそも東京国際映画祭になんでレーガンが口出すのよ?と私は不思議に思っていたのですが、この二人の不仲はたぶん赤狩りの時からなのだと分、少なくとも80年代まで続いていたのですね。
映画の中のエディがそうさせられたように、聴聞会では自分が共産党員だと認めされられるだけでなく、仲間の名前を言わされるんですよね。エリア・カザンが生涯非難され続けたのは、彼の証言で多数の映画人が獄中死したり、自殺したからだと読んだことあります。
そういうことを踏まえて、反乱奴隷全員が「俺がスパルタカスだ」と名乗り出て、リーダーを売らなかった「スパルタカス」をもう一度見てみたいと思っています。

2016/08/12 00:06
ごみつさん、ごめんなさい。
途中から文章が消えているところあったから補足させて下さい。
「この二人の不仲はたぶん赤狩りの時からなのだと分かりました。ハリウッドの保守派とリベラル派の対立は、少なくとも80年代まで続いていたのですね。」

2016/08/12 00:12
夏 さん

こんばんは!
コメントとTB,有難うございます。

この作品、夏さんも記事で書かれていた通り、「ヘイル、シーザー」とあわせて見ると、バランスも良いし、当時の時代の雰囲気についてもわかりやすくなりますよね。
同じ年に公開になってとてもタイミングが良かったです。

東京国際映画祭でそんな事があったとははじめて知りました。そうそう、映画の中で当時まだ俳優だったレーガンがパージする側にいましたよね。俳優組合の委員長かなんかでしたっけ。

あの頃の確執っていうのは、きっと長い年月にわたって続いただろうと推察します。あれだけ、ひどい目にあった人がたくさんいましたもんね。

エリア・カザンの話は私も聞いた事があります。それにしても、これだけ才能のある映画人が、こんな目にあわされるなんて、本当にひどい時代だったんですね。この映画であらためて痛感しました。

私も「スパルタカス」もう一度見たいです。映画の中で、カーク・ダグラスが、キューブリックは気難しい・・って言ってたのがおかしかったです。あと、オットー・プレミンジャーの「栄光への脱出」は未見なのでこれも見てみたいな。

赤狩りの描写もさることながら、当時の映画界の描写も面白くて、映画好きにはたまらない作品でしたね。
ごみつ
2016/08/12 01:36
ごみつさん、こんばんは。
この作品、ご覧になられたのですね。良かったあ。ごみつさんには是非見ていただきたかった作品です。
ハリウッドに吹き荒れた「アカ狩り」の件は、断片的には知っていましたが、この作品を通じて、初めて当時の時代の空気を知ることができたように思います。
今の時代から見れば、単に労働者の当然の権利を主張していただけなのに、米ソの冷戦時代にあって、「共産主義への目覚め」を恐れた政府とそれに追随するハリウッドの一派から「アカ」のレッテルを貼られ、仕事を干されて行く。言論や表現の自由が、こんなにも強権的に奪われてしまうのかと、恐ろしくなりました。
今の日本も他人事ではない状況かなと思うのですが、果たしてトランボ氏のような才気に溢れ、かつ気骨のあるクリエイターっているのでしょうか?
苦しい状況の中で彼が生み出した名作の数々には、驚くばかりです。素晴らしい作品を世に送り出してくれて、ありがとうと、心からお礼を言いたいです。
はなこ
2016/09/03 00:55
はなこ 様!

申し訳ありません!
フラリとこの記事を読み返していたら、はなこさんの昨年のコメントにお返事をしていないのに気が付き目の前が真っ白に。

もう今更ですが、この映画、本当に良かったです。
そうそう、当時の赤狩りの状況は、今の日本でも他人ごとではないですよね。

そんな事も思いながら、当時観賞いたしました。

これからはコメントチェックもれ、気をつけますね。(大汗)
コメント有難うございました。
ごみつ
2017/05/05 23:47
ごみつさん、こんにちは♪

ごみつさん、大丈夫ですよ〜(笑)。
私も人のこと言えないですから。

最近日本でも社会が徐々に寛容さを失っていて、言葉狩りのようなものも見られるし、ネット上で個人を寄って集って批判する風潮もあるので、怖いですね。

私も自分のブログを時々読み返して、過剰に誰かを批判したりしてはいないか気を付けてはいるし、社会で起きた出来事に対して何か気になることがあるにしても批判だけでなく、どうしたら良いのかの提案はするようにしていますが、それも独善に過ぎないのかと思ったり…

特にネット上の集団ヒステリーのような状況が改善されると良いなと思っています。皆、もっと冷静にならないとね。

「人は誰でも過ちを犯す」と言う前提でものごとを捉えないと、自分の心がどんどんササクレ立ってしまいそうで怖いです。
はなこ
2017/05/06 10:02
はなこ さん

返信有難うございます。

私もツイッターをはじめる様になってから、人って怖いな・・ってあらためて感じる様になりました。
もちろん、それ以上に素晴らしい方々もたくさんいて、ネットっていうのは、やっぱり実社会を反映しているものなんですよね。

SNSに比べれば、ブログは有名人でない限り滅多に炎上しないし、きちんと説明をして意見や感想をかけるのが良いですよね。

世の中には様々な考えの人がいて、感覚が異なる人が、たくさんいる・・っていう事だけは私も頭に入れています。世の中、色々な腹立たしい事が多いので、確かに心がささくれ立ちます。
なるべく冷静でいる事って大切だし必要ですよね。
ごみつ
2017/05/06 23:35

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