ごみつ通信

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zoom RSS 奇跡の教室 受け継ぐ者たちへ

<<   作成日時 : 2016/09/03 22:57   >>

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Les Heritiers
2014年/フランス (監)マリー・カスティーユ・マンシオン・シャール
(演)マリアンヌ・アスカリッド マハメッド・ドゥラメ
☆☆☆★★★

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http://kisekinokyoshitsu.jp/

実話をもとに、学校から見放された問題児たちの集まるクラスが、ベテラン教師の情熱によって次第に変化していく様を描いたドラマ。

ドラマでメインキャストのマリックを演じているマハメッド・ドゥラメとシャール監督による脚本。マハメッド・ドゥラメの実体験をもとにした作品との事です。

マリックとアンヌ・ゲゲン先生

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フランス映画で、これだけテーマに対してストレートに真面目に描かれた作品を初めて見た気がします。ほぼドキュメンタリーのごとしなのですが、それだけこの作品で描かれている問題はフランスで(のみならずヨーロッパ全土で)大きな、そして深刻な問題である事を感じる事が出来ました。

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様々な人種が集まる落ちこぼれクラスの担任になったベテランの歴史教師のアンヌは、生徒達にアウシュビッツをテーマとした全国歴史コンクールに参加する様によびかけます。

難解なテーマに乗り気ではなかった生徒達は、強制収容所の生存者の話を聞かせたり、ホロコースト博物館へ連れられていくうちに、徐々に真摯に向かい合い始める。

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落ちこぼれクラスの大半が、移民の子供たちや、貧困層の子供達。彼らは、日常生活の中で常に他人を差別し、他人から差別される事が日常となっている。そんな彼らに、人間は決して何事によっても差別されるべきではない存在である・・という事を、アンヌは生徒達に自ら考えさせていきます。

こんな素晴らしい教師に出会える確率は実はとても低いだろうと思うので、彼らはとても幸せだったと感じました。そして、アンヌが生徒達に教えてきた様な事が、ひろく世界全体にひろがっていけばどんなに良いだろうと思う。

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この映画で問題になっている移民問題、人種差別問題っていうものが、今のヨーロッパでついにテロを起こさせる要因になってしまった事もひしひしと感じる事が出来た作品です。

フランスは、第二次大戦で働き盛りの男性を多く失い、労働力を補充するために移民をたくさん受け入れてきたのですね。ところが、移民の2世、3世の世代になっても本当のフランス国民として受け入れてもらえない現状がある。

この映画は、人は教育によって変わる事が出来る。他者への関心と尊敬の気持ちを持つ事で、理解しあえる事が出来るという理想を掲げている作品です。人によっては、理想主義、お花畑感覚と思う人もいると思うけれど、たとえどれほど達成不可能な夢であっても、その理想を掲げない限りは一歩も前に進まない。

そうして一歩、一歩、前に進んでいくしかないんでしょうね。

語り口はとても静かで、とても真面目な作品です。テレビ放映等、機会がありましたら是非。






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タイトル (本文) ブログ名/日時
「奇跡の教室〜受け継ぐ者たちへ」(原題:LES HERITIERS/ONCE IN A LIFETI...
[画像] ...続きを見る
はなこのアンテナ@無知の知
2016/09/03 23:47
「奇跡の教室 受け継ぐ者たちへ」
フランスで実際にあった物語。パリ郊外のレオン・ブルム高校で落ちこぼれクラスの担任となったアンヌ・ゲゲンは、彼らに「歴史コンクール」への参加を提案する。初めの内は「恥をかくだけ」と乗り気でなかった生徒たちだったが、アンヌの熱意と「あなたたちを信じているのは私だけ?」という言葉に後押しされ、次第に意欲的に課題に取り組むようになる。題材は、ナチス政権下のユダヤ人及びロマ族の弾圧。第二次世界大戦の歴史に刻まれたホロコーストである。どこかで見たことがあるお話し…そう、あれはヒラリー・スワンク主演の「フリー... ...続きを見る
ここなつ映画レビュー
2016/09/07 12:35
奇跡の教室〜受け継ぐ者たちへ〜
パリ郊外の貧困地区にある高校の問題児クラスを舞台にしたヒューマンドラマ、「奇跡の ...続きを見る
セレンディピティ ダイアリー
2016/09/24 16:09

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内 容 ニックネーム/日時
ごみつさん、こんばんは。記事を心待ちにしていました。
私のブログ記事で、日本における教育の地域格差について言及した記事があるのですが、これが7年前の記事なのに、未だに毎日、学校関係者や自治体、個人からのアクセスが絶えません。それだけ日本でも教育格差〜子ども達を取り巻く環境格差から学力格差が生まれることへの関心が高いと言うことなのかなと思っています。
ごみつさんが仰るように、マダム・ゲゲンのような先生に出会える確率はかなり低いのが現実でしょうね。それでもこうした作品を通じて、教育の大切さを出来るだけ多くの人々の間で共有することが出来れば、少しずつでも教育環境が改善されるのではないかと期待しています。
現役教師や、これから教師を志す人に是非見て貰いたい作品ですね。教員免許を取得する過程で、見る機会を設けるとか…
私自身は特に功なり名遂げているわけではありませんが、短大時代に出会った恩師とは30年を超えて交流があり、恩師には常に学び続けることの大切さと喜びを教えていただきました。そういうささやかな幸福も、「教育」の賜物だと思うんですよね。
ノーベル平和賞を受賞したマララさんが、教育の重要性を真摯に訴え続けるのも、それが個々の人生の幸福へと繋がるからでしょう。
本当に出来る限り多くの方々に見ていただきたい作品です。
はなこ
2016/09/04 00:13
こんにちは。
この作品、私も気になって見たいなーと思っていました。

問題児のクラスをホロコーストの授業によって立て直していく...というと、ヒラリー・スワンク主演の「フリーダムライターズ」という作品を思い出しますが、今まさに移民問題に揺れているフランスが舞台ということで、より緊張感をもって見ることができそうです。

フランスの教育を題材にした映画いえば、「ちいさな哲学者たち」「パリ20区、僕たちのクラス」も心に残っています。
セレンディピティ
2016/09/04 14:11
はなこ さん

こんばんは!
はなこさんの記事を前もって読ませていただいていたおかげで、私の記事も多少なりとも中味のある内容になりました。
特に脚本の情報はとても貴重でした。
有難うございました。

そうですね、確かに教育関係の方には是非とも見ていただきたい作品でしたよね。
フランスと日本、社会状況や辿ってきた歴史等、大きな違いはあるとは言え、人を教育する・・という視点から見れば学ぶべきところはたくさんある作品だと思いました。

マララさんの活動もですが、世界にはまだまだ教育が十分にいきわたっていなかったり、満足に教育をうけさせてもらえない子供達もいます。
少しづつでも、世界全体が良い方向に向かっていく様に願いたいです。

教育って本当に大切なものですね・・。
ごみつ
2016/09/04 23:20
セレンディピティ さん

こんばんは。
この作品、おそらくもう公開は終了だと思います。
私は友人と行ってきたのですが、新宿の小さな劇場で、一日2回だけの上映。満席でした。
もうちょいロングランするかな?
毎回、満席になっている様なのでもうちょっと大きめの劇場で公開してくれたらな・・って思いました。

DVDででも十分、堪能できる作品だと思うので、レンタルになった時にでも是非。

セレンディピティさんご紹介の3本はいずれも未見です。機会があったら是非見てみたいです。
ご紹介有難う〜〜。
ごみつ
2016/09/04 23:24
ごみつさん🎥
こんばんは。先日はどうもでした!
マリック役の彼、アハメッドは、ゲゲン先生という出会いがあって、落ちこぼれから優秀な生徒に変わり、またこの題材をメールしたことで、本映画の監督であるマンション=シャールとも出会い、夢だった映画の仕事につくということを叶えた、素晴らしい出会い運の方ですよね。
この事は映画を見た後で知りました。
ある人との出会いで、その人の人生が変わった…という話をよく聞きますが、まさにこういうことなんですね。彼が羨ましいです。
私は振り返っても、読んだ本で人生観が変わったことはありましたが、人、となるとすぐには思いつかず…
自分も、誰かの人生を変えるほどの正義感も持ち合わせていないし、そこまでの踏み込みもしていないような気がします💦

マリックが映画のセリフを同時にコピーしていたシーン、あれはきっと実話で、彼が希望して挿入した場面だと勝手に思ってます。😃
個人的にあのシーンは思い出に残る、好きな部分です。
dumbo
2016/09/05 23:13
Dumbo さん

こんばんは!
こちらこそ先日は有難うございました。
天気はいまひとつの日でしたが、楽しかったですね。
また映画見たり、お食事したりしましょう!

私も映画を見た後で、あれこれと情報を知って、感動をあらたにした感じです。
これほど自分の人生に影響を与えた人物とか出来事って私もないな〜。

普通はなかなかそこまでの出会いはないと思うので、彼らは、特にマリック役のマハメッド・ドゥラメ君は幸運だったと思います。

そうそう!あの「ボーン・コレクター」のシーンは印象的だよね。彼がどれだけ映画が好きなのかが一瞬でわかるシーンですよね。
ごみつ
2016/09/06 00:26

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