ごみつ通信

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zoom RSS 2016年後半読書記録

<<   作成日時 : 2016/12/29 23:31   >>

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12月までに読んだ書籍で記事にしていなかった4冊を簡単な感想とともに記録しておこうと思います。

「周 理想化された古代王朝」
佐藤信弥著 中公新書
☆☆☆★★

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紀元前11世紀から前256年まで続いた古代中国の王朝である周。太公望や周公旦などの建国の功臣、孔子や老子といった諸子百家、斉の桓公ら春秋の五覇などが名高い。また、封建制や共和制など、周に由来するといわれる政治システムは多く、孔子ら儒家によって理想化されて伝えられてきた。では、その実態はいかなるものだったのか。近年、陸続と発掘される金文や甲骨文などの当時の史料から、王朝の実像を再現する。(新書解説より)

春秋戦国好きなわたしとしてはず〜っと気になっていた周。孔子が理想とした、周とその社会とはどんなものなのかを知りたくて購入したのですが、これは結構難しかった。

そもそも周は、殷王朝においては臣下の一族だったのですが、武王の時代に、弟の周公旦、そして太公望等とともに、殷の紂王の暴虐に反乱をおこし、牧野の戦いで殷を破り、周王朝を建てたのがはじまり。

その後、周は始皇帝に滅ぼされるまで、延々と数百年にわたって存続していくのですが、私が古代中国史に疎いせいもあったり、出土した資料の価値を読み解けないとか、使われてる言葉も理解出来なかったりで、散々でした。

もっと勉強の上、また読み直したいと思っている1冊です。(^_^;)

「水滸伝 虚構のなかの史実」
宮崎市定著 中公文庫
☆☆☆★★★

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「読まされた」四書五経に対し、「隠れてでも読んだ」水滸伝。少年時代からの水滸伝ファンであった著者が、この痛快無比な長篇小説の中から宋江・魯智深・蔡京ら特色ある人物を取り出し、虚構と歴史的事実とを対比させて、水滸伝がかくも広範に読みつがれてきた魅力の源泉を探る。(文庫解説より)

先日記事にした「駒田訳・水滸伝」全8巻を読み終わった後に、色々と背景が知りたいと思い、中古で購入。これもう絶版なんですよね。

宮崎先生は、子供の頃「水滸伝」に夢中になり、後日、中国史においても宋を専門に研究される様になったのは、「水滸伝」の影響が大きいそうです。

「水滸伝」で描かれている物語は、どこまで史実に近いのか、それを知りたくて宋代を専攻されたそうですが、そこにテーマをしぼっって、素人にもわかりやすく解説したのがこの本です。

もともと「歴史と人物」という雑誌の連載をまとめたもので、「水滸伝」を読み終わった直後という事もあって、とても興味深く読めました。

面白いので、「水滸伝」を読まれた方は、是非お勧めです。中古か図書館でどうぞ〜。


「小説帝銀事件」
松本清張著 角川文庫
☆☆☆★★★

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昭和23年1月26日、帝国銀行椎名町支店に東京都の腕章をした男が現れ、占領軍の命令で赤痢の予防薬を飲むよう告げると、行員らに毒物を飲ませ、現金と小切手を奪い逃走する事件が発生した。捜査本部は旧陸軍関係者を疑うが、やがて画家・平沢の名が浮上、自白だけで死刑判決が下る。膨大な資料をもとに、占領期に起こった事件の背後に潜む謀略を考察し、清張史観の出発点となった記念碑的名作。(文庫解説より)

先日記事にした「宮部みゆきセレクション」の中の「日本の黒い霧・帝銀事件の謎」がとても興味深かったので購入。

小説となっていますが、主人公の記者である男が、この事件について調べながら回想していく・・という構成になっていて、ほぼドキュメンタリーです。

帝銀事件

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B8%9D%E9%8A%80%E4%BA%8B%E4%BB%B6

「帝銀事件」は、当初、軍の関係者(731部隊とか)に犯人がいると目星をつけて捜査していたにも関わらずGHQの介入でその方面の捜査は中止され、かわりに容疑者として浮上してきた、著名な日本画家であった平沢貞通が、真犯人として逮捕されてしまいます。

平沢貞通がとても変わった人間だった事もあり、確たる証拠もないまま事件から7年後の1955年に死刑が確定します。結局、刑の執行はされず平沢貞通は1987年に獄中で病死するのですが、これは多くの人間が冤罪だと考えており、松本清張もその一人です。

読んでいるうちにけっこう気持ちが苦しくなってきてしまいました。戦後間もなくの事件は何だか気持ちが苦しくなります。もうしばらくは帝銀事件は良いや。(と言いながら、次は下山事件について何か読もうかと思っているところです。)

「虚線の下絵」
松本清張著 文春文庫
☆☆☆★★★

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画家として名声を得た親友への複雑な思いを抱きながら、しがない肖像画家として生計を立てる男。夫のため、会社の重役を相手に注文取りに奔走する妻は、次第に妖しい色気を増していく。疑心暗鬼にかられた男が陥った罠とは―。男女の業を炙り出した表題作のほか「与えられた生」など全四篇を収めた短篇集。(文庫解説より)

今年は友人の影響で、松本清張をたくさん読みました。来年も続きそうです。

この作品は短篇集なのですが、どの作品も市井の男女の、本当にどうしようもない様な矮小な姿と、それにともなって迎える破滅が描かれていて、もう、物凄く面白いです。こんなつまんない出来事が、こんなにも面白い小説になるんですよ!

いわゆる「火曜サスペンス」的なお話なのですが、最後に1篇だけ226事件のお話があってびっくりしました。え、いきなり「火サス」から226事件かよ、みたいな。

「首相官邸」という作品なのですが、226の決起に参加させられた軍医見習い達の目線から描かれたお話で面白かったです。

若者の純粋さって怖いな・・と思わされました。

今年はかなりたくさん読書が出来ました。通勤時間が長くなったのは辛いですが、読書時間が増えたのは嬉しいです。来年もたくさん読みたいな。

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
こんばんは。
今年は本もたくさん読まれましたね。記事もきちんとまとめられてすばらしいです。帝銀事件は、お話をうかがってゾクゾクしてきました...いつか読みたいです。

今年もいろいろやりとりさせていただいて、とても楽しかったです。来年もどうぞよろしくお願いします。
よい新年をお迎えください☆

とりあえずお正月はローグワン見てみようかな?^^
セレンディピティ
2016/12/31 00:03
セレンディピティ さん

こんばんは!
今年は読んだ本は大半、記事に出来ました。ちょっとでも感想残しておくと後で思いだせるので良いんですよね。
「帝銀事件」は本当に不思議な事件ですよ。逮捕されて結局終身刑になった平沢画伯はどう考えても冤罪だと思います。

こちらこそ、今年もたくさんコメントやTBをいただき有難うございました。
来年もどうぞよろしくお願いいたします。

ご家族の皆さんと、良いお正月をお過ごし下さいね。
「ローグ・ワン」家族で見にいくのにピッタリですよ!是非。
ごみつ
2016/12/31 23:31

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