ごみつ通信

アクセスカウンタ

zoom RSS 沈黙 〜サイレンス〜

<<   作成日時 : 2017/01/27 15:51   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 2 / コメント 4

Silence
2017年/アメリカ・イタリア・メキシコ (監)マーチン・スコセッシ
(演)アンドリュー・ガーフィールド アダム・ドライバー キアラン・ハインズ リーアム・ニーソン 浅野忠信 塚本晋也 窪塚洋介 イッセー尾形 加瀬亮 小松菜奈
☆☆☆★★★

画像


http://chinmoku.jp/

遠藤周作の代表作の映画化作品。スコセッシ監督はこの作品を読んで以来28年間構想をあたためてきたそうです。

原作を読んだ時のも思ったのですが、この作品を本当に理解するためには、キリスト教を深く理解しているか、キリスト教を深く信仰しているかしていないとダメなんじゃないかと今回も感じました。

世界は不条理な残酷さに満ちていて、苦しみに喘ぐ者達に対し、神は沈黙を続けている。

フェレイラ(リーアム・ニーソン)

画像


このテーマは、ベルイマンの映画をはじめキリスト教信仰国では幾度となくテーマとされてきていますよね。そんな問いに答えが出るワケもなく、人は沈黙を続ける神の存在に対し(どの宗教でもそれは同じでしょう。)ただただ死後の世界での平安と栄光を夢見て、あるいは来世での幸せを祈り生きて死んでいく。

作品の舞台は江戸初期の17世紀。日本で布教活動をおこなっていた宣教師たちは、徳川幕府の出したキリシタン弾圧の迫害と拷問にあう事になります。

音信が途絶え、キリストへの信仰を捨てて日本人となったという情報が伝わってきた、恩師のフェレイラ神父の消息を確認するために、2人の若きポルトガル人宣教師が日本に密航をするところからお話ははじまります。

アンドリュー・ガーフィールドとアダム・ドライバー マカオから密航します

画像


彼らがそこで出会った隠れキリシタン達との交流、幕府の弾圧への抵抗を描きながら、物語は衝撃的な結末へと導かれていきます。

以前、遠藤周作展を訪れた時に、「日本人にキリスト教が真の意味で根付かないのはなぜか」というテーマを遠藤氏が常に考えられていたというエピソードを知りましたが、この作品にも多いにその解釈が語られていきます。

日本人は自然よりも偉大な存在の概念を理解する事が出来ないのだと・・。

画像


転び伴天連となったフェレイラから語られ、また弾圧し脅迫しながらも、なだめすかそうとする幕府の人間からも、日本人には日本人が信じるべき宗教があるのだ・・と語られていきます。

私個人の正直な感想からすればその通りだと思ったし、自然が神そのものだと認識する多神教の方が正しいと私は感じています。

それでも貧しく搾取されている民衆にキリスト教は大きな心の支えになった。宗教が政治に対して、人の心に対して今よりもはるかに大きな力を持っていた時代の物語で、現代を生きる日本人にはなかなか心から理解する事が難しい作品で、それがこの「沈黙」という作品の偉大さでもあると思う。

窪塚洋介演じるキチジロー。彼はとても重要なキャラクターです。なぜならほとんどの人間がキチジローだし私もキチジローです。

画像


映画はとにかく映像が美しく見事でした。神の恩寵である自然の美しさが際立っていればいるほど、人間に対する神の沈黙の不条理性が画面から伝わってきます。ストーリー自体はオーソドックスに静かに語られていきます。江戸時代の風景も(台湾で撮影されたそうですが)、まったく違和感がなく、黒澤映画の様なリアリズムを感じる画面に圧倒されました。「ラスト・サムライ」で感じた様な「何か違う・・」感は皆無です。

画像


画像


それにしても、これはスコセッシ監督作品としては本当に異色だな・・と思いました。と同時に日本人作家の作品をこれほどの映像作品に仕上げてくれたスコセッシ監督に感謝したいです。

ところどころ、スコセッシ監督の解釈による脚色があって、特にラストシーンはロマンチックすぎないか・・とも思いましたがお勧めです!!
沈黙 (新潮文庫)
新潮社
遠藤 周作

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by 沈黙 (新潮文庫) の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル


テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(2件)

タイトル (本文) ブログ名/日時
沈黙−サイレンス−  監督/マーティン・スコセッシ
【出演】  アンドリュー・ガーフィールド  アダム・ドライバー  リーアム・ニーソン  浅野 忠信  窪塚 洋介 ...続きを見る
西京極 紫の館
2017/02/01 21:26
???????????????????????????
?????-??????"Silence"?by Martin Scorsese ??????????????????20????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????????&??6????????&?????23?????????????????????????????????????????????????????????????????????????????... ...続きを見る
dezire_photo & art
2017/02/25 21:00

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
こんにちは。
「沈黙」私も初日に見てきました。
ラストの原作にない場面は、スコセッシ監督の”神は沈黙していない”というスコセッシ監督のメッセージのように感じました。
スコセッシ監督の愛を感じる作品でしたね。
セレンディピティ
2017/01/27 16:49
セレンディピティ さん

こんばんは!
セレンディピティさんももうご覧になられたんですね。
思っていた以上に良い作品で、とても満足しました。

原作ではラストは幕府の報告書でビジネスライクな冷たい雰囲気で終わったので(それが余韻を残すのですが)、映画ではドラマチックなエンディングにしていましたね。
このエンディングも含めて、あちらこちらのシーンで、スコセッシ監督のメッセージを感じました。

確かに人間を見る目線がとてもおもいやりがあるな・・と感じました。幕府の役人達をただの悪者に描いていないし、広い視野で物語を捉えてるなとも思いました。良い映画でしたよね。
ごみつ
2017/01/27 22:42
先日、図書館で、中央公論社刊日本の歴史第十四巻をかりました。これには付録がありまして。その付録の中で遠藤周作先生が
「ちょうど、沈黙という小説を書き上げたところなんですよ」
というように語っておるのです。えぇ〜!!なんという偶然。
だぶるえんだー
2017/02/11 18:49
だぶるえんだー 様

こちらにもコメント有難うございます。

私は、先日、youtubeでたまたま、「美輪明宏、遠藤周作を語る」っていう動画を見たのですが、遠藤周作自分の前世は何だ?って聞かれた美輪さんが、「遠藤先生は、タヌキだと思います」って言ったら怒られた・・っていう話をされてました。(笑)

それで、遠藤周作は狐狸庵を名乗る様になったのかもしれませんね。(笑)
ごみつ
2017/02/11 22:44

コメントする help

ニックネーム
本 文
沈黙 〜サイレンス〜 ごみつ通信/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる