ごみつ通信

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<<   作成日時 : 2017/05/13 22:27   >>

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Moonlight
2016年/アメリカ (監)バリー・ジェンキンズ
(演)トレヴァンテ・ローズ アンドレ・ホランド ジャネール・モネイ アシュトン・サンダーズ ジャハール・ジェローム アレックス・ヒバート ナオミ・ハリス マリーシャラ・アリ
☆☆☆★★★

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http://moonlight-movie.jp/

第89回アカデミー賞の、作品賞、脚色賞、助演男優賞と3冠に輝いた話題作、「ムーンライト」を見に行ってきました。

貧困地域に生まれた孤独な黒人少年を主人公に、家庭問題、自らのセクシャリティへの悩み、イジメを受け続ける中で、自らのアイデンティティと居場所を求めて苦しみながら成長していく過程を描いたドラマです。

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この作品に関しては、たくさんの方が感想を書かれていると思うのですが、とにもかくにも、この作品をみはじめて私が驚嘆したのは、この映画のウォン・カーウァイ作品での傾倒ぶりでした。

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もともと監督自身が、カーウァイ作品から受けた影響の事を語っていたのを読んでいたのですが、ここまでとは思わなかったので、最初から最後まで観賞の視点がそこから外せなくなってしまいました。それくらい、あちらこちらにオマージュっぽいシーンが捧げられています。

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なので見始めてすぐに、この作品は、貧困問題、人種差別問題、ドラッグがらみの社会問題、ジェンダーの事などをテーマにしていながらも、映画の描きたいテーマの重心はそこには置かれていないだろうとわかりました。

映画は、主人公シャロンの、幼少期(リトル)、ティーンエイジ期(シャロン)、そして成長期(ブラック)と3部構成になっています。

作品の主眼は常にシャロンの内面とその行動にあって、映画は彼の後姿を追いながら、魂の遍歴を追っていくのです。シャロンは結局、自らに課せられた運命にあらがえず、麻薬ディーラーになってしまいますが、どれほど強面になっても彼の内面はいつまでも純粋で繊細。

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映画を最後まで見て感じたのは、シャロンはけっこう幸せ者だよな・・っていう事でした。彼を心から気遣う人がまわりにいて、同じ境遇でもっと過酷な人生を歩まざるを得ない人間はたくさんいるだろう・・。

だからこの映画は、人間にとって本当に大切なものは「愛」である・・っていう本当に昔から普遍的とされているものがテーマなのだと感じました。実のところ、その表現があまりにもストレートなので、赤面してしまいそうなパートもありました。まあケヴィンとの再会のシーンなんですけどね。

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あそこ、ケヴィンはあまりにもトニー・レオンなので、胸がドキドキしてしまいました。(笑)

ここで細かくはカーウァイ作品からの影響は書きませんが、「ムーンライト」に心打たれた方は是非、ウォン・カーウァイ作品もご覧になってみて下さい。シャロンがケヴィンからの連絡を受けて彼のいるレストランへ向かうシーンでは、「ブエノスアイレス」で使われていたククルククパローマが流れてオマージュ、ここに極まれり!っていう感じでした。

Moonlight - Cucurrucucú Paloma
https://www.youtube.com/watch?v=OqVh2Pig-vE

今回、そういうオマージュ描写に気をとられてしまいましたが、そんな事を気にしなくても、人間ドラマとして文句なしの秀作です。お勧めです!

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トラックバック(6件)

タイトル (本文) ブログ名/日時
バリー・ジェンキンス監督 「ムーンライト」
『ムーンライト』 ”Moonlight”(バリー・ジェンキンス監督) 上記公式サイトにアクセスすると、予告編の音声が 流れます。 ...続きを見る
Il quaderno d'Estate
2017/05/14 00:17
ムーンライト
マイアミの貧困地域を舞台に、孤独な少年が心の拠り所を求めて成長していく過程を、少年期、青年期、成人期の3部に分けて描いたヒューマンドラマ。監督は本作が長編2作目となるバリー・ジェンキンス。2017年アカデミー賞作品賞、ゴールデン・グローブ賞映画部門・作品賞... ...続きを見る
セレンディピティ ダイアリー
2017/05/14 08:48
「ムーンライト」
地味だけど、良作。良作だけど、胸が苦しい。アカデミー賞作品賞受賞の本作、事前知識など何も持たずに観に行った。つまり私が本作について知っている事と言えばアカデミー賞作品賞受賞作品だという事のみであった。ストーリーも展開もテーマも、ここまで何も知らずに観に行った作品は久方ぶりである。「好きな俳優が出てるからー」とか「◯◯監督の作品だからー」とか「香港(イタリアでもフランスでも何でも当て嵌められる)映画だからー」とかそういうものも一切持たず、ある種の潔さを持って鑑賞。しかしそういった点では「アカデミー... ...続きを見る
ここなつ映画レビュー
2017/05/14 09:41
「ムーンライト」☆何も語らずに多く語る
詳細は何も説明しない,、主人公もほとんど言葉を発しない・・・・・なのにこんなにも多くの事を語ることが出来るなんて!! アカデミー賞作品賞だから「良い」のではない。 この作品だからこそアカデミー賞作品賞に相応しいのだ☆ ...続きを見る
ノルウェー暮らし・イン・原宿
2017/05/19 11:05
映画:ムーンライト Moonlight 当ブログ的にこの映画のテーマは「愛」ではなく、「負の連鎖」。
3部で構成される、黒人少年の成長?記。 ...続きを見る
日々 是 変化ナリ 〜 DAYS OF ...
2017/05/28 17:54
ムーンライト 【映画】
MOONLIGHT 2016年、アメリカ バリー・ジェンキンス(監督) アレックス・ヒバート、アシュトン・サンダース、トレバンテ・ローズ、ジェイデン・パイナー、ジャレル・ジェローム、アンドレ・ホランド、ジャネール・モネイ、マハーシャラ・アリ、ナオミ・ハリスほか ...続きを見る
Balkan's Memorandum
2017/06/17 05:05

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コメント(13件)

内 容 ニックネーム/日時
ごみつさん、先日はありがとうございました。私からもTBの申請したので、よろしくお願いします。

ウォン・カーウァイへのオマージュが分からない私でも

>シャロンはけっこう幸せ者だよな・・
ですねえ。おかあさんはドラッグのせいであんなでしたが、本来はシャロンへの愛情はもっていたのだし、ファンはもちろんのことテレサみたいな親切は人、滅多にいないと思いました。
ケヴィンはトニー・レオンですか。ほうほう。彼の方から電話してきたのが、興味深いです。ふたりともなんだかんだ言ってロマンチストですよね

2017/05/14 00:54
いつもいつもすみません。
まーたコメントの一部が抜けちゃいました。

ウォン・カーウァイへのオマージュが分からない私でも、素晴らしい作品だと思ったので、カーウァイ作品を見たら、さらに深まるでしょうね。おすすめはやはり「ブエノスアイレス」でしょうか?

2017/05/14 00:57
夏 さん

こんばんは!
早速のコメントおTB有難うございます。

先日もお話したけど、シャロンはラッキーですよね。ああいう優しさがまわりにあったから、あの純粋な気持ちを持ち続けていられたんだろうけど、きっとこれからは幸せな人生が待っているのだと思いたいです。

ウォン・カーウァイへのオマージュが一番はっきりとわかるのは、やっぱり同じ男性同士(レスリー・チャンとトニー・レオン)の恋愛を描いた「ブエノスアイレス」だと思います。
ただ、個人的に一番お勧めなのは、私が見た範囲では「花様年華」です!この映画は本当に素晴らしいので、どちらか機会がありましたら是非!
きっと夏さんも気に入ると思いますよ〜〜!
ごみつ
2017/05/14 01:16
おはようございます。
心を揺さぶられるいい作品でしたね。

私も本作を見る前に、ウォン・カーウァイ監督の影響について読んで、比較動画も見ましたが、私自身はそれまでほとんど見たことがなかったこともあって、意識せず、まっさらな状態で見ることができました。

実はあとから「恋する惑星」を見たのですがが、ムーンライトを先に見てからのアプローチだったせいか、影響についてはあまりよくわからなかったのですよね...。
ごみつさんのおっしゃる「鑑賞の視点がそこから外せなくなって」というのはよくわかります! 私の場合、ラ・ラ・ランドがまさにその状態だったので。^^

今度「ブエノスアイレス」「花様年華」も見てみますね☆
セレンディピティ
2017/05/14 08:45
こんにちは!TBをありがとうございました。
「ケヴィンがあまりにもトニー・レオン」…!
すみません、大ウケしてしまいました!
笑うべきところではないのに、もう、ごみつさんったら…
&お茶らけたコメントで失礼しました。つい、伝えたくて、すみません。
ここなつ
2017/05/14 09:40
セレンディピティ 様

こんばんは!
すっかり遅くなってしまいましたがやっと見れました。公開が終わっちゃわなくて良かったです。

本当に心を揺さぶられる作品でしたね。シャロンにくらべるとケヴィンの心情がよくわからない感じがしたのですが、結局、お互いにとても大切な存在だったんですね。
ケヴィンは離婚をして、きっとその事に気がついた様な気がしました。

「恋する惑星」は、ちょっと趣が異なる作品なんですよね。
一番わかりやすいのは「ブエノスアイレス」なのですが、「花様年華」の方がみやすいだろうと思います。是非是非チェックしてみて下さいね。

「ララランド」は、オマージュ探しをはじめちゃうとキリがなさそうですね。(^_^;)それこそ全編にわたってありますもんね。
ごみつ
2017/05/15 00:46
ここなつ 様

こんばんは。
TBと、コメントまでいただいちゃって有難うございます!

え〜、だって、ラストのケヴィンはトニー・レオンみたいじゃなかったですか!?(笑)
いつも冷静にシャロンをうけとめてくれる優しさとか、コックの仕事とか、タバコ吸ってる姿とか。

あと、ケヴィンの部屋の調度品、東洋趣味でしたよね。

やっぱトニーだよ!(笑)
ごみつ
2017/05/15 00:50
ごみつさんこんにちは
この映画、私も先月鑑賞したのですが、うまく咀嚼できなくて感想を書かないままでいましたが、ごみつさんの感想を読んでストンと飲み込めました。
ウォン・カーウァイ監督の傾倒は私も感じました。いろいろなシーンにオマージュが感じられます。
アメリカにおいて人種的にも愛情方向もマイノリティーなシャロンはタフな男になって人を信じないで自分を守ることでやっと生き残れた。
「ククルクク・パロマ」がシャロンの悲しみと愛を求める気持ちを表しているように感じられて、ケヴィンがシャロンに聞かせた歌(題名はわからないけど)はケヴィンのメッセージ。
そしてケヴィンがトニー@ファイなのに納得!ファイも好きな人のために手料理を作ってあげてましたね。
シャロンが絶望的ではなく小さい時から救われる存在がいたのは、作り手側の想いを感じました。おそらく現実はもっと厳しい。だからこそ映画の中で救いの手を差し伸べているのかな
himari
2017/05/17 09:08
himari 様

こんばんは!
himariさん、「ムーンライト」行かれたんですね!
いかがでしたか?

私は、とても感動したのですが、実はとても優しすぎる作品だな・・って思ったのも事実。
これまで、同じ様なテーマで、もっと悲惨な内容をたくさん見てきたせいもあるかもしれないけど、逆にこの作品の登場人物達の繊細な内面描写が新鮮でもありました。

カーウァイ作品を幾つか見てると、その影響力が目につきますよね。
あのドラッグ中毒のお母さんがシャロンに与えてる影響の大きさは、「欲望の翼」を思い出しました。
ケヴィンのあの冷静さは、トニー・レオンをイメージしますよね。

この作品、最大の特徴は「愛」と「優しさ」なんですよね。今までそんな雰囲気で描かれたこの手のストーリーの作品を見た事がなかったので本当に驚きました。

普通のアメリカ映画ならこんな展開にならないんですよ。そういう意味でもこういう芸術映画っぽいっていうか、インディペンデントなタイプの映画がアマデミー作品賞をとったのは素晴らしいな・・って思いました。
ごみつ
2017/05/18 01:08
ごみつさん☆
ウォン・カーウァイ作品は見た事ないのですが、そんなにも傾倒していたとは…
更に奥深い観察眼で鑑賞できましたね☆
シャロンの変わらない繊細な内面に強く胸を締め付けられる想いでした。

トニー・レオンですか…??
ノルウェーまだ〜む
2017/05/19 11:12
ノルウェーまだ〜む 様

こんばんは!
コメント&TB有難うございます!

ウォン・カーウァイ作品は是非見てみて下さい!見ればその影響がわかると思いますよ。
同性愛映画ですが「ブエノスアイレス」が一番わかりやすいです。あと一押しのお勧めは「花様年華」です!
そうするとケヴィンがトニー・レオンなのがわかると思います。(笑)

でもそんな事を気にしないでもこの作品は素晴らしかったですよね。とっても繊細な作品でした。
ごみつ
2017/05/21 01:20
ごみつさん☆
「花様年華」見ました!
確かにどこかアンニュイな映像美としっとりともの悲しいうつろうような感じが似ていますね〜
なるほどトニー・レオンですねぇ。
切なさではこちらの映画が勝ってますけど…
とにかく「花様年華」は難解でネタバレ解読など検索しながら、今日一日かけて何度か見直しちゃいました(笑)
ノルウェーまだ〜む
2017/05/24 23:13
ノルウェーまだ〜む 様

こんばんは!
おお、「花様年華」ご覧になったんですね!
良かったでしょう〜?私はいちいち、色彩の美しさだとか、マギー・チャンの衣装だとか、音楽だとか、心酔しながら観賞しました。
ちょっと、映像の空気感っていうか、漂う雰囲気みたいなのが、「ムーンライト」と似てる感じありますよね。

あと、しょっぱなあたりの、日本のお土産に炊飯ジャーを買ってきて、みんなで炊けた炊けたって騒ぐシーンとかも好きで、ここだけ気分はプロジェクトXになりました。(笑)
ごみつ
2017/05/25 01:14

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