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zoom RSS 高い城の男

<<   作成日時 : 2017/11/22 21:50   >>

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The Man In The High Castle
フィリップ・K・ディック著 ハヤカワ文庫
☆☆☆★★★

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第二次世界大戦が枢軸国側の勝利に終わってから十五年、世界はいまだに日独二国の支配下にあった。日本が支配するアメリカ西海岸では連合国側の勝利を描く書物が密かに読まれていた……現実と虚構との間の微妙なバランスを、緻密な構成と迫真の筆致で描いた、D・K・ディックの最高傑作!(文庫解説より)

前の記事のドラマにあわせて読んだのですが、基本的にドラマは設定だけを借りたもので、まったく異なるストーリーの作品です。

実はこの作品に対する感想が私の中でまとまっていません。それくらい、不思議な世界観を内包した小説です。

この作品は登場人物が多く、ドラマではその人物達がからみあってストーリーが進行していましたが、小説では幾つかのグループの物語が並行して語られていきます。

細かいストーリーは割愛しますが、どのエピソードにも必ずからんできているのが、「高い城の男」によって書かれた「イナゴ身重く横たわる」という小説です。(ドラマではフィルムですが原作では小説です)

この小説は、第二次大戦で連合国が勝利した世界を描いていて、ナチス帝国では反逆者として「高い城の男」を追っています。

この作品を難解にしている要因は、全てのエピソードの中で誰かが必ずはまっている「易」の存在なんですよね。「高い城の男」は易をもとにこの小説を書いたのです。物語の中では、何度も易の卦について言及されていきます。

私、読みながら途中で、この小説はSFじゃなくて、易経にもとずいた、「天道」の話なんだ・・と思いました。それで、愕然としてしまった感じです。

この世界の在り様は、人間達の歴史の中で、そうあるべくして流れて行き、パラレルワールド的に別の世界であった可能性もある。何が本物で、何が虚実であるのか。実はどちらも正解でまったく変わりはないのだ・・っていう事を言いたいのだと思いました。ほとんど老子の世界?(笑)

ディック自信が易経にかなりはまっていたらしく、この作品の中で語られる事は本格的です。本の後書きでも翻訳者の方が、「深くこの作品を理解したければ岩波から刊行されている「易経」を読む事をお勧めする。」とか書かれてました。(^_^;)

なので、恐らく「易」とは何なのかを知るのがこの作品をきちんと読み解く鍵だと思います。

「易経」については、中国の春秋ドラマ見ていた時から気になってたので、少し勉強した上でまたチャレンジしたい作品です。

何か、凄いですよ、この小説・・・。ちゃんとした感想が書けなくてすみません。

ただ一言、深く考えなくても、エンタメ小説としてもきちんと完結している作品ですので、面白く読めると思いますよ!

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コメント(6件)

内 容 ニックネーム/日時
この作品は有名ですね。ぼくは読んだことがないのですが。
禍々しくも魅力的な表紙ですな。やはり鷲は右向きか・・・・・・・。何を言っているんだ?と思われるでしょうが、欧州のひとは紋所に鷲を入れるとき常に右向きにしたそうなのです。ただ、ナポレオン・ボナパルトはなぜか左向きの鷲を好んだ。そんな話を聞いたことがありまして。
だぶるえんだー
2017/11/22 22:24
だぶるえんだー様 

こんばんは!
コメント有難うございます。

この表紙、良いですよね。
早川書房のディックのシリーズは表紙のデザインが統一されて、どれもなかなかかっこよいですよ。

西洋にモチーフで鷲は右向きなんですね!知りませんでした。
で、ナポレオンは左向きとは面白いですね。

私、デザイン(意匠)に関する全般が大好きなので、こういう話も刺激を受けます。
世の中には興味深い事ってたくさんありますよね〜。
ごみつ
2017/11/22 23:07
  ボナパルト氏は、伝統を壊すのが楽しくて楽しくてたまらなかったのでしょう。ああいう経歴ですから。
  ナチスは保守的だったのかもしれませんね。敢えて伝統を壊すような気風がなかったのでは。
だぶるえんだー
2017/11/23 22:16
だぶるえんだー 様

こんばんは!
返信有難うございます。

やっぱり伝統を壊すのが楽しかったんですかね〜。革命家としての気概があったんでしょうね。

ナチスはバリバリに伝統主義っぽい。ナチスってデザインセンス凄いですよね。あの軍服とかは軍服デザインの最高峰だと思います。
ごみつ
2017/11/24 00:33
こんにちは。
易経って同じ東洋人の日本人にとってもあまりなじみがないものなのに、ディックが易経にはまって、この小説を書いた...というのがおもしろいですね。
人間だれしも、もしもあの時、今と違う選択をしたら自分はどうなっていただろうか...と考えることがありますが、それの世界歴史版という感じでしょうか?

選択はその時その時で枝分かれしているのだから、無限のパターンが考えられますね。
セレンディピティ
2017/11/26 17:19
セレンディピティ さん

こんばんは!
当るも八卦、当らぬも八卦じゃないですけど、それなりに日本でも定着している文化とは言え、どうも中国文化と混同されてる感じはありました。(笑)

中国では古代から、天が己に成り代わって人間に地上を治めさせてるんだけど、徳を失い天に見切りをつけられると治世が終わりを迎える・・みたいな天道思想がベースにあるんですよね。

私も詳しくないのでよくわからないのですが、「高い城の男」の世界みたいに枢軸国が支配する世界があるんだけれど、その中で易を立てながら書いた小説は連合国が勝利した本来の世界になった・・っていう設定なんですよね。

だから人間の行いによって幾つものあり得る世界があって、そのどれもが間違いではないのだ・・っていう事なんじゃないでしょうか?

ホント、難しかった、この小説。(お話自体は難しくないんですけどね)
良い刺激になりました。(^_^;)
ごみつ
2017/11/26 21:08

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