ごみつ通信

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zoom RSS 2017年後半読書記録 1

<<   作成日時 : 2017/12/26 22:55   >>

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9月から12月までに読んだ本、6冊の感想を記録まで。

「風が吹いたり、花が散ったり」
朝倉宏景著 講談社
☆☆☆★★

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わたしの職場の夏のお勧めタイトルの1冊。

汗も涙も笑いも本物だ。本年度青春小説の大本命! 視覚障害のある、さちの伴走者となり、盲人マラソンに挑むことになった亮磨。クソみたいな夢も、ブラックバイトの日々も、二人で走ればどうでもよくなってくる――。でも、僕は彼女に嘘をついている。本当は隣を走る資格なんてないんだ。(単行本解説より)

何に対しても真剣になれずダラダラと生きていた主人公の亮磨が、ふとしたきっかけで、盲人マラソンの伴走者をする事になり、盲目ながら必至に練習に励むさちの姿を見ながら、自分自身をも見つけていく青春もので、とても清々しい作品です。盲人マラソンについてもはじめて知る事が出来たし、読んで良かったです。

人が持つひねくれた毒のまったくない感動作なので、多少の物足りなさはあるのですが、ちょっと気持ちがスカっとしない時とか、何となく元気がない時にはお勧めです。

「葉っぱのフレディ いのちの旅」
レア・バスカーリア著 童話屋
☆☆☆★★★

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春に生まれた葉っぱのフレディが、自分という存在に気づき、成長し、「葉っぱに生まれてよかったな」と思い、「葉っぱの仕事」を終えて冬に土へとかえっていくまでの物語。

けっこう、児童書をよく読むもののあまり記事にはしていません。今回、この有名な作品をはじめて読んでみたのですが、思ってたよりもずっと素晴らしい作品でびっくりしてしまい、今回記事にとりあげてみました。

これは子供達に是非読んでもらいたいですね。生命が生まれ、育ち、命を謳歌し、黄昏を迎え、やがて死んで土に帰っていく。そしてまた新しい命がうまれる・・という事を葉っぱの一生をもとに語られていくのですが、感動しました。また、葉っぱの写真がとてもきれいなんですよね。

やっぱり名作とされて長く愛され続ける作品っていうのは違うもんだな・・と思いました。簡単なお話ですがちょっと哲学的でもありますよ。

「ブレードランナーの未来世紀」
町山智浩著 新潮文庫
☆☆☆★★★

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この本は〈映画の見方〉を変えた! 『ブレードランナー』や『未来世紀ブラジル』、『ロボコップ』に『タ ーミネーター』……今や第一線で活躍する有名監督による80年代の傑作が、保守的で能天気なアメリカに背を向けて描いたものとは、一体何だったのか──。膨大な資料や監督自身の言葉を手がかりに、作品の真の意味を鮮やかに読み解き、時代背景や人々の思考まで浮き彫りにする、映画評論の金字塔。(文庫解説より)

洋泉社から出版されていた単行本はしばらく絶版となっていたのですが、今年、新潮社から文庫版で再版されたので購入。80年代の映画でカルトムービー化している作品についての評論集です。

町山さんは私よりひとつ年上なだけで、ほぼ同世代という事もあり、この作品で取り上げられている作品も全部見ているし、当時少なくない影響をうけた作品ばかりです。

80年代と言えば、20代の頃で、私が最も劇場で映画を見ていた頃でもあります。今、思い返すとあのエネルギーはどこから湧いてきてたんだろう・・っていう感じです。名画座で3本立てとかフツ〜〜でしたからね。

この作品が、他の評論集と異なるのは、実際に監督にインタビューをしている事と、その作品を撮るに至った背景や、監督の内面にまで踏み込んでいるところで読み応えがあります。

取り上げられている作品はクロネンバーグの「ビデオドローム」、ジョー・ダンテの「グレムリン」、キャメロンの「ターミネーター」、テリー・ギリアムの「未来世紀ブラジル」、オリヴァー・ストーンの「プラトーン」、デヴィッド・リンチの「ブルーベルベット」、ヴァーホーベンの「ロボコップ」、そしてもちろんリドスコの「ブレード・ランナー」です。

ああ、何の悩みもなかったあの幸せな時代に舞い戻りたい・・。(笑)

「脂肪のかたまり」
ギー・ド・モーパッサン著 岩波文庫
☆☆☆★★★

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30歳のモーパッサン(1850―1893)が彗星のように文壇に躍り出た記念すべき中篇小説。普仏戦争を背景に,人間の愚劣さと醜さに対する憤りを,ユーモアとペーソスをまじえた客観描写で定着させたこの作品は,社会の縮図を見事なまでに描き切った。師フローベールからも絶賛され,その後の作家活動を決定づけた作品。新訳。
(文庫解説より)

脂肪のかたまりと言っても私の事ではありません!!(笑)

プロイセンに侵略されたフランスのルーアンから10人の男女が乗合馬車で別の町へ逃れようとする。この物語はその乗合馬車に乗り合わせた「脂肪のかたまり」と呼ばれていた人気娼婦エリザベートが、他の貴族階級の人間からうける残酷な仕打ちを描いた小説です。

困難(戦争)に直面した人間が剥き出しにする、自己中心主義や偽善、欺瞞が描きだされた、いわゆる自然主義文学作品です。

名作西部劇の「駅馬車」は、実は「脂肪のかたまり」の映画化なんだ・・と、ジョン・フォード監督が語っているそうですよ。この記事をつくるために調べていて知ったのですが、「なるほど〜」と納得するとともに感動してしまいました。

「砂男/クレスペル顧問官」
E・T・A・ホフマン著 光文社文庫
☆☆☆★★★

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サイコ・ホラーの元祖と呼ばれる、恐怖と戦慄に満ちた傑作「砂男」。芸術の圧倒的な力をそれゆえの悲劇を幻想的に綴った「クレスペル顧問官」。魔的な美女に魅入られ、鏡像を失う男を描く「大晦日の夜の冒険」。ホフマンの怪奇幻想作品の中でも代表作とされる傑作3篇。

ホフマンは19世紀初頭のドイツの作家で、「くるみわり人形」の原作者です。それでも本人は音楽家としてが本業だと思っていたらしく、文章を書くのは片手間だったらしいのですが、結局文学者としての方が大きく名を残しています。

砂男はドイツの民間伝承に登場する睡魔で、子供がいつまでも起きていると現れて目の中に砂をかけるっていう恐ろしい御仁です。ドイツ人は、恐らくだれでも幼少時に砂男のトラウマを植えつけられているのでしょうね。

ホフマンの砂男はそれを題材にした怪奇小説で、今読んでみてもなかなかモダンです。

この作品とほぼ同じ時期にイギリスではシェリー夫人が「フランケンシュタイン」を発表したのだな〜。

「ほうかご探偵隊」
倉知淳著 創元推理文庫
☆☆☆★★

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ある朝いつものように登校すると、僕の机の上には分解されたたて笛が。しかも、一部品だけ持ち去られている。――いま五年三組で連続して起きている消失事件。不可解なことに“なくなっても誰も困らないもの"ばかりが狙われているのだ。四番目の被害者(?)となった僕は、真相を探るべく龍之介くんと二人で調査を始める。小学校を舞台に、謎解きの愉しさに満ちた正統派本格推理。(文庫解説より)

私の職場の秋のお勧めタイトルの1冊です。

もともとポプラ社から子供向けに刊行されていた「ミステリーランド」シリーズの中の1冊が東京創元社から文庫で発売になりました。

小学生にミステリー小説の楽しさを知ってもらおうとい狙いで書かれた小説ですが、それだけにミステリーの定石や定番の展開なんかを駆使した作品で、大人でもなかなか楽しめる作品でした。

最後の謎ときまで、私もさっぱりわからなかったので、小学生向きと馬鹿にしないで機会があったら読んでみて下さい〜。

あと松本清張が3冊あるのですが、間に合えば年内に後日。(^_^;)

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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
ごみつさん、こんにちは。
二冊目の文庫は当然買いました。取り上げている映画は、kinkachoがほんとに一生懸命映画館で映画を見ていた頃の作品なので、頷くこと頻りでした。
名画座の三本立てなんて、よくまあ座ってられたものです。
一冊目の本、自分もマラソンを走るので読んでみます。レースとか練習では、視覚障害者の人と一緒になることもあります。伴走者に興味があるのです。
kinkacho
2017/12/26 23:18
Kinkacho さん

こちらにも早速のコメント、有難うございます!
町山さんの本、買われたんですね!そうそう、私達が若い頃、夢中になって見た作品ばっかりなんですよね。

三本立てとか午前中に入っても、出てくる頃は暗くなってるんですよね。(笑)ホントに懐かしい思い出です。

1冊目の本は、小説としてはKinkachoさんにはかなり物足りないだろうと思いますが、伴走の事とかがわかるのは良いですよ。あれ、ただ引っ張れば良いだけじゃなくて、ペースを合わせたり、障害物を避けたり、事前に教えたり、走るペースもあわせないといけないし、難しいものなんですね〜。
ごみつ
2017/12/26 23:39
ごみつさん、こんばんは。
この中では「葉っぱのフレディ」は読みましたよ。聖路加の日野原先生が紹介されてて一時期人気がありましたね。子供向けですが、人生の終わりが近づきつつある今の方が心に響く作品です...。

「脂肪のかたまり」ってすごいタイトルですね。でも内容をうかがうとおもしろそうなので、タイトル次第では売れそうですね。駅馬車の原作というのも気になります。
セレンディピティ
2017/12/28 00:08
セレンディピティ さん

こちらにもコメント有難うございます。

そうそう、「葉っぱのフレディ」は日野原先生の推薦本になりましたよね。確かに人生後半に入ってからの方が心に響きそう。
この本、原作の初版が1980年代なのですが、それからず〜っと売れ続けてます。これから古典になっていきそうですね。

「脂肪のかたまり」はモーパッサンの出世作で、彼の代表作の「女の一生」に次いで人気あるタイトルなんですよ。
「駅馬車」は他にちゃんと原作があるのですが、J・フォード監督が「脂肪のかたまり」の映像化を狙って撮影した・・って語ってるそうです。
「駅馬車」にも娼婦が登場しますよ。
ごみつ
2017/12/28 21:44

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