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zoom RSS 家族の終わりに

<<   作成日時 : 2017/12/18 18:29   >>

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Revolutionary Road
リチャード・イェーツ著 ヴィレッジブックス
☆☆☆★★★

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1950年後半、高度経済成長期のニューヨーク郊外。理想のマイホームと、大企業の一員としての地位を得ながらも、現実からの逃避と、自由な人生を夢見る若き人びと。常識から逸脱できぬまま、心の声を押し殺すうちに生まれた暗雲が、しだいに幸せな家庭にも影を落としてゆく…。何不自由ない暮らしのなかで、心はなぜか不自由になっていった…。ふとしたきっかけで崩れてゆく「家族」という名の幻想を描いた物語。(BOOKデータベースより)

先日鑑賞した映画「レボリューショナリー・ロード」の事が頭から離れず、原作も読んでみました。ハードカバーのタイトルは「家族の終わりに」、文庫は「レボリューショナリー・ロード」で刊行されていましたが両方とも絶版だったので、図書館で借りて読みました。

文庫版は区に在庫がなくハードカバーを借りましたが、500ページちかい大作で持ち歩くのがけっこう大変でした。(^_^;)

原作が発表されたのは1961年。当時はこの物語で描かれる事は、読者に大きな衝撃を与えたそうです。

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 ストーリーの結末についても語ります。

私達が幼いころテレビドラマで見たアメリカ中流社会の生活は憧れのまた憧れでした。大ヒットドラマの「奥様は魔女」に出てくるアメリカの家と家族の姿、生活スタイルのあれこれは夢の中の世界。ダーリンが広告会社のコピーライターの仕事をしているのも当時はとても新鮮な驚きを与えてくれたものでしたよね。

そして日本人の誰もが、あんな生活をしたい!と目標にした、アメリカの家族の姿。この小説はその裏側にある空虚さと、その空虚さの中にはまり込んでしまい、ついには大きな悲劇を迎えてしまう夫婦の姿を描いています。

映画では、テーマを夫婦2人に絞り込んでいましたが、原作では、隣人の夫婦、そしてキャシー・ベイツが演じていた不動産屋の内面も深く描きこんでありました。

映画ではかなわぬ夢にいつまでも固執し、現実を直視せず、そして愚かにも崩壊していった夫婦の物語という印象だったのですが、原作を読んだら見方が逆だったのに気がつかされました。

この夫婦、特に妻のエイプリルは決して愚かなワケではないんです。空虚な生活に埋没する事を拒み続け、戦い続け、そして敗れていった女性で、社会の犠牲者なのですね。

エイプリルが最後に選んだ事は、どうにもこうにも愚かで、映画で見た時は腹が立ちましたが、小説ではそこに至るまでの彼女の心情が細かく語られていくので、私、彼女の気持ちに同調して涙が溢れてきました。それと彼女の行動には幼少時の辛い経験があり、映画ではそこははしょられてました。

何が絶望なのか。それは今の生活が耐えられず、優柔不断な夫のフランクの顔も見たくないのに、その夫を憎む事はおろか、愛さずにはいられない自分自身に気がついた時だと・・。

やっぱり、こういうドラマは原作があるなら、小説を読んだ方が良いですね。もちろん映画には映画なりの良さがあり、小説の中の人物が血の通った人間の姿で登場するもの楽しいものですが、演技力や表情だけでは表わしきれない、深層心理や、心や意識の流れなんかが、文章で読まないとわからない。

そんな事を思わされながら堪能いたしました。映画、小説、ともにお勧めですよ!

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
こんばんは。
原作も読まれたのですね。表紙がすてき〜
映画化もされた作品なのに絶版とはびっくりです。
たしかに一般受けする映画ではなかったですが...
今チェックしたら、区の図書館にハードカバー、文庫、原書とありました。
お話をうかがうと、映画とはだいぶ様子が異なるようなので、私も読んでみようかな...
映画は少々きつかったですが、原作を読んだら少し救われそうな気がします。
セレンディピティ
2017/12/19 22:57
セレンディピティ さん

こんばんは!
書籍の感想にもコメント有難うございます。
確かに、この作品、映画も一般受けする作品じゃなかったので、映画が終わったらパタリと売れなくなっちゃったんでしょうね。

映画は原作にかなり忠実ですよ。ただやっぱり物語の厚みが違うんですよね。
この原作をきちんと映像化するならドラマにしないとダメそう。その点で、サム・メンデスの映画は作品のエッセンスを映画の時間枠で良く映像化させていたな・・って思いました。

あんまり救いはないのですが、少なくとも、エイプリルの内面がきちんと理解できるので、その点は良かったです。

彼女が追い詰められて、追い詰められて、あの行動をとったっていう事がわかって、ラストあたり泣けました。(/_;)
ごみつ
2017/12/20 00:38

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