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<<   作成日時 : 2017/12/20 22:25   >>

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Offret / Le Sacrifice
1986年/スウェーデン・フランス (監)アンドレイ・タルコフスキー
(演)エルランド・ヨセフソン スーザン・フリートウッド アラン・エドワール グドルン・ギスラドッティル スヴェン・ヴォルテル ヴァレリー・メレッス フィリッパ・ブランセーン トミー・チニルクヴィスト
☆☆☆★★★

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タルコフスキーの遺作で、カンヌで史上初の4賞を受賞した作品。

主人公のアレクサンデルはもともと著名な舞台俳優であったが、仕事に嫌気がさし引退。今では家族とともにスウェーデンの孤島で暮らしている。都会を離れたくなかった妻は精神を病み夫婦は不仲であった。

小さな息子はのどの手術をしたため、声が出ない。

↓幼い息子(この子は坊やと呼ばれて名前がありません。)に科学文明がもたらした弊害を語るアレクサンデル

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そんな息子とともにアレクサンデルは枯れ木を植える作業をする。3年間、規則正しく水を与え続ければ枯れ木は甦るのだと言う・・。

その日はアレクサンデルの誕生日で、友人達が祝いに駆けつけるが、政府の臨時発表があり、核戦争が勃発した事を知る。

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彼の家に通っているメイドのマリアは実は魔女であった事を知らされる。彼女と契りを結べば全ての望みがかなうのだと言う。無神論者であったアレクサンデルは、愛する者達を救うために彼女と契りを結び、自分の持つ全てを神に捧げると誓い、それを実行に移すのだった・・。

ストーリーを聞いてもさっぱりわからないだろうと思うのですが、映画を見てもさっぱりわからないので仕方ないのです。

今年は地味にタルコフスキーイヤーで、これが3本目になりますが、あいかわらず超難解です。と言うよりも、彼の映画はわかろうとしなくても良いのだと思う様になりました。

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きっと神学的な意味がたくさん詰め込まれているのだと思うし、調べてみても良いのですが、それを調べてこの作品をきちんと理解する事にもならないだろうと思う。

この映画は、黒澤明監督の「生きものの記録」と同じく、核戦争、世界の終末への恐れを描いた作品です。映画は難解なのですが、核となるテーマはきっと誰でもわかるだろうと思います。

個人的な意見なのですが、私は、この映画、おかしくて、おかしくて仕方ありませんでした。監督はまったくそんな意図はないのですが、とにかくおかしい。

これはもちろん馬鹿にしているのではありません。映画そのものは見事です。亡命中のタルコフスキーは今回スウェーデンで撮影をしており、撮影監督にはベルイマン組のスヴェン・ニクヴィストが参加しており、映像は見惚れるほど美しいです。

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そしてタルコフスキーのいつもの映像表現である、汚濁したもの、水の表現、少し常軌を逸した人間達の姿、そんなこんなに圧倒される作品です。

私が喜劇的要素を感じとってしまったのは、登場人物達がとる行動がちょっとスラップスティックぽいからなんですよね。

例えば、今、悪魔が通り過ぎて羽がぶつかった!と突然転倒してしまう郵便局員。(彼はオカルトマニアでもあります。)このシーンはこの後起こる核戦争勃発を暗示するシーンなんだけど、おかしいんですよ。

↓郵便局員はもと教師。ニーチェの永劫回帰を信じていて、輪廻思想の持ち主。

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一番、おかしかったのは、ラストで神との契約を果たすために自分の家を燃やし、家族から逃げまどう中、マリアを見つけてかけよるシーン、救急車から何度も逃げ出そうとするシーンとかが、ロングショットで撮影されているのですが、ホントにおかしくて、声をあげて笑ってしまいました。

「これ、コメディでしょ?コメディだよね?」と思いながら観賞していたのですが、そういうつもりでもないみたいで、ホント、申し訳ありません。

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それと、アレクサンデルが自分の前世は日本人だったとか言ってて、BGMに尺八を流してるのもどうかと思ったし、そのくせ、ナイトガウンが太極図だったりして、「高い城の男」じゃないけど、中国とごっちゃだよね?みたいなのも本当におかしかった。

そんなこんなで、とても堪能できた作品です。難解映画って楽しいです。

家を燃やすシーンと、荒涼とした風景の中にポツンと立つ枯れ木は、「ブレードランナー2049」でオマージュされてる・・って言われてます。

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
ごみつさんこんばんは🌇
お久しぶりです。
この映画、ずいぶんと前に見ました。でもストーリー全然思い出せません(^_^;)ストーリーがあったのかも疑問。
当時火を使ったアートをやっていて、大学の先生に火を使うことに込められた意味を理解するにはタルコフスキーのサクリファイスを見て勉強しろ!
と言われて見ました。
映像は綺麗だったけど、難しくて理解できなかったような…
映像はベルイマン組の人だったんですね。詩的な世界に連れて行かれます。
今見たら少しは理解できるかしら。
dumbo
2017/12/22 00:03
dumbo さん

こんばんは!
dumboさん、これ見た事あるんですね。
ストーリーは私が記事に書いた通りで、あってなきがごとしです。(笑)

とりあえずテーマは核戦争への恐怖でそれだけは間違いないです。
後はどうとでも解釈できますよ。

火を使う事の意味か〜。けっこう難しいね。
家燃やしてる時、近くに会った車に引火して爆発するんだけど、あそこもおかしかった。
私にとってはこの映画、ちょっとしたコメディーでした。(^_^;)

私、昔はこういう芸術映画、好きじゃなかったんだけど今はけっこう楽しく鑑賞できます。
dumboさんも是非、再見してみて。

今年はなかなか忙しくてお会いできなかったけど、またゆっくりとお話したいですね。
年内、あと少し、がんばりましょうね!
ごみつ
2017/12/22 02:26

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