カラヴァッジョ展

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http://caravaggio.jp/

上野の国立西洋美術館で開催中の「カラヴァッジョ展」に行ってきました。

カラヴァッジョは昔から心酔しているアーチストで、自伝の映画なども見に行ったりしましたが、実物の作品を見るのは今回が初めてでとても楽しみにしていた展覧会です。

展覧会観賞にさきだって、NHKの番組を見たのですが、その中で美術評論家の方が、「一言で言うと物凄い才能に溢れた無法者ですね。」とおっしゃてたのが、言い得て妙だし、カラヴァッジョという一人の天才画家の生涯について思いを馳せさせられました。

本名はミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョ。

神の大きな恩寵という言葉をあえて使わせていただくと、長い人類の歴史の中でもこれを与えられているのはごくごくわずかな人達。

ナルキッソス

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そんな人間が、一つの新しいムーブメントを生みだす時、その人間に必要不可欠なものは、従来の固定観念に縛られない芸術的な発想と、それをクリエイトするための感性、そして世間を敵にまわしてでも自らの表現をつらぬきとおす強い意志(運命・衝動)をその作家が持ち続ける事にあるのかな・・と思ったりします。

カラヴァッジョの作品に私が強く魅かれるのは、宗教画のスタイルを使いながら、人間の持つ生の姿,表情が描かれているところ。

多くの画家が題材にしている「この人を見よ」にもそれがよく表現されてますよね。

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カラヴァッジョにはホモセクシャルを連想させる作品がとても多いので、本人もそうなんだろうな・・と漠然と思ってましたが、実際に作品を目にしてみるとそんな単純な事ではないな・・と感じました。

カラヴァッジョが描きたいのは、人間(ホモ)そのものなんだな・・と。

洗礼者聖ヨハネ

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トカゲに噛まれる少年

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肖像画を見ても、気性の激しが伝わってきます。今回の展覧会では、暴力事件を起こした時の訴訟裁判の記録みたいなのも幾つか陳列されてて面白かったです。そして挙句の果てには殺人を犯しローマを追放されてしまいます。

そしてローマの法律が及ばないナポリへ、そしてマルタ島へ、それから・・と彼の放浪の後半人生がはじまりますが、恨みを持った者の刺客にねらわれながらも、何とか生きてこれたのは、その才能ゆえに有力貴族の庇護があったからだそうです。

そしてトスカーナにて熱病のため(当時の画家の職業病である鉛中毒の説もあるそうです)36年の生涯を終えます。

法悦のマグダラのマリア
この作品は世界初公開との事です。

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終生変える事が出来なかった任侠気質、年々と深みを増していった画家としての才能、彼が駆け抜けて行った波乱の生涯を思いながら作品を観賞すると、作品からは時代の空気、そしてカラバッジョの体温と息使いまで感じられる様な気がしてきます。

エマオの晩餐

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これは唯一、子供の頃から知ってるカラヴァッジョ。図鑑でよく使われてますよね。怖いですよ~。ホントに石になっちゃいそう。怖いから画像小さくしました。

メデゥーサ

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会期は6月12日までです。




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この記事へのコメント

はなこ
2016年04月05日 16:51
ごみつさん、こんにちは。
TB&レビュー記事をありがとう!
カラヴァッジョの世界を堪能いただけたようで嬉しいです!

凡人はせいぜい時代のトレンドをなぞるので精一杯。その努力の凡人を打ちのめすように、天才は凡人が思いもつかないような発想で、革新的な仕事をするんですよね。

カラヴァッジョと同時代の画家は、カラヴァッジョの圧倒的な才能に、そして一市民としてはまったくもってアウトローな彼に"神の恩寵"が与えられたことに、激しい嫉妬を覚えたのではないかしら?

カラヴァジェスキとして名を連ねる画家の中には、カラヴァッジョがいなければ十分その時代を代表する画家足り得た人もいたでしょうに。

カラヴァッジョの場合、史実に残るような激しい気性だからこそ、絵画でも掟破りなことを躊躇なく出来たのでしょう。

とにかく自分の身近にいたら迷惑な人かもしれませんが(笑)、新たな時代を切り開く天才としては魅力的な人なので、有力貴族やカトリックの枢機卿も彼の作品の虜になったのでしょう。まさに「芸は身を助ける」ですね。

その激しい生き様は19世紀のヴィンセント・ヴァン・ゴッホにも通じるものがあるような…ゴッホはわずか10年と言う短い活動期間に、油彩画860点を含む2000点以上の絵を描いたと言いますから、その創作活動の凄まじさは想像に難くないですね。
blueash
2016年04月05日 21:10
この展覧会をまだ行ってなくて(汗)色々なブログで絶賛していて焦っていますが、ごみつさんの文章がドラマチックで感動が伝わってきて読んでドキドキして更に早く見に行かねば!と強く思いました。
激しい気性、観る人を虜にし描く人の絵を変えてしまう才能
映画も面白そうです!

ごみつ
2016年04月05日 22:24
はなこ さん

こんばんは!
こちらこそ、コメント&TB有難うございます。

チケットをプレゼントしていただいた上、はなこさんの記事できちんと前知識を頭に入れておけた事が、今回の観賞にはとても作品観賞の助けになりました。

有難うございます~。

私も、記事をつくりながら、ゴッホの事を考えてました!
ゴッホは生前に才能が認められなかったのが気の毒ですね。
カラヴァッジョにしろ、ゴッホにしろ、身近にいたらとてつもなく迷惑だったと思います。(^_^;)

カラヴァジェスキの事も触れたかったのですが、下調べやらなんやらに凄く時間をとられそうなので、今回はパスしてしまいました。
出展されていたカラヴァジェスキの画家たち(グエルチーノもありましたね!)の作品も本当に見事で、技巧で劣っていないので、素人目では、カラヴァッジョの作品と見分けるのは難しいですよね。

私は平日に行ったのですが、やっぱりかなり混んでました。

8日のNHKの特番も楽しみです。情報有難うございました。
ごみつ
2016年04月05日 22:33
blueash 様

こんばんは!
コメント有難うございます。

会期は6月まであるのでまだ時間がありますよね。
カラヴァッジョの作品は数がそれほど多くない上にほとんどがヨーロッパのあちこちに散らばってるので、これだけまとまって見る機会はなかなかないそうなので、是非足を運んでみて下さいね。

前のコメントのはなこさんから教えていただいたのですが、8日(金)の10時からNHKで特集番組があるそうです。
予習に良いかもしれませんね!

映画は記事の下の広告が出ている作品を見に行きました。イタリアのテレビドラマを劇場用に短くしたもので、映画の出来はいまひとつでしたが、彼の波乱万丈の人生が興味深かったです。

先日ツイッターでRTしたデレク・ジャーマンの映画は未見なので、今度見ようと思ってます。
dumbo
2016年04月05日 23:06
ごみつさん
こんばんは。始まったのですね。
カラバッジオの作品で、一目惚れしたものがあるんです。今回の地震展示には来ていないですが、行きたいと思ってます。
ごみつさんの表現で、展覧会の内容が手に取るように伝わってきました。
kinkacho
2016年04月06日 07:51
ごみつさん、こんにちは。
いいなあ...カラバッジオの作品が生で見れるなんて!
特に法悦のマグラダのマリアはデレク・ジャーマンの映画を見て以来、見たくて仕方ありません。
セレンディピティ
2016年04月06日 10:28
こんにちは。
カラヴァッジョをモーツァルトに例えている文をどこかで見た気がしますが、ごみつさんもおっしゃるように、これはまさに神様から与えられた才能というほかありませんね。

ごみつさんは映画もご覧になっているのですね。
私も遅ればせながら、2作品を追って見てみようと思っています。

TBもありがとうございました。
リリーのすべての方にTBされてまして...お時間がありましたらリトライしてみてください。
ごみつ
2016年04月06日 15:48
Dumbo さん

こんにちは!
Dumboさんが一目ぼれした絵ってどれかしら!?今度、会った時に教えてね。

私は「ゴリアテ」とか「ユディト」、それと「病めるバッカス」が好きだな。今回は来てないけど、あの人物の表情が凄いんですよね。

何か、TaschenのComplete Worksが欲しくなっちゃいます。
またゆっくりお話しましょう~。
ごみつ
2016年04月06日 15:53
Kinkacho さん

こんばんは。カラヴァッジョ展、今回は巡回がないみたいで、残念ですね。
会期は6月まであるので、何か東京に来る用事が他にもあれば・・ですよね。

デレク・ジャーマンの映画は未見で、ツタヤもすぐにはレンタル出来ない状況になってました。やっぱり展覧会が終わった後じゃないと借りれないかも?
近々に見たいと思ってます!
ごみつ
2016年04月06日 16:01
セレンディピティ さん

こんにちは!
わ~、TBの件、すみませんでした!
今、きちんといれなおしてみたので後でチェックお願いいたします。お手数ですが、「リリー」にいれた方は削除していただければと。

セレンディピティさんが一番お好きな絵にチョイスされてた、エマオの晩餐は、本当に静謐で深みに溢れた作品ですよね。この後も生きていたらどんな絵を描いたのかな・・と思わされます。

映画はデレク・ジャーマンのは未見だけどかなり変わった映画になってると思う。私も早く見たいです。
記事の下に広告が出てるのは、テレビドラマの劇場版なのでみやすいけど、作品的にはちょっとイマイチでした。テレビドラマの完全版を見てみたいです。
2016年07月03日 18:11
ごみつさん、こんにちは。

ちょっと古いエントリーにコメントさせて下さいね。私もGW前にカラヴァッジョ展に行ってきて、大変感銘を受けたのですが、自分のブログに書かないでいるうちに時間が経ってしまい、ごみつさんのブログに便乗させて頂きます…ほんとうは自分の記事をTBするつもりだったのですが…

本展はほんとうによく良質な作品を日本に持ってこられたと思いました。イタリアでは、美術館の目玉作品の貸し出しに対して、市民からの反対があったりするので(気持ちは分かります)、良い作品を日本に持ってくるのって、だんだん難しくなってきてる感じ?だから、バッカスやエマオを招致できたなんて、企画側の尽力は並大抵のものではなかったと思います。
言葉は悪いけれど、足りない分はカラヴァッジョ派の作品で補っっていましたが、これらの作家・作品のチョイスも素晴らしかったと思います。
女流画家のアルテミシア・ジェンテレスキの作品見らら足し…。彼女を題材にした「アルテミシア」って映画もありましたよね。映画としては、駄作でしたが…

今回あらためて思ったことは、カンバスの油絵は光と影の対照を表現するのに最適な表現方法だということ。光の使い方に映画的なものも感じます。もっともっと見ていたい!という気持ちにさせられた、私にとってはここ数年来で一番の展覧会でした。
ごみつ
2016年07月03日 21:39
夏 さん

こんばんは!
夏さんも、カラヴァッジョ展、行かれてたんですね!
確かに美術展の記事はけっこう大変なので、忙しかったり、エネルギーがなかったりするとしんどいんですよね。

美術史に造詣が深い夏さんの記事、是非読みたかったですが、こちらのコメントでも色々教えていただいて有難うございます!

私、カラヴァジェスキの人達の名前はほとんど知らなくて、さ~っと観賞しただけで惜しい事をしました~。
アルテミシア・ジェンテレスキっていう女流!画家さんの名前もはじめて知りました。映画があるんですね!作品的にはいまひとつとの事ですが、是非見てみたいです。

作品の貸出に関しては、日本は大きな自然災害が多いから、心配になるのもわかる気がしますね。
カラヴァッジョくらい天才的な作家で、なおかつ時代も古いとなると作品もとても貴重だから、展覧会を企画されてる方達の苦労はいかほどかとしのばれますよね。

アジアのかたすみで生きている私が、イタリアの至宝といって良い作品をこうしてまとめて観賞させていただいてるから感謝感謝です。

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  • 『カラヴァッジョ展』に行って来ました♪

    Excerpt: [画像]  昨日は家族3人で久しぶりに上野に行って、国立西洋美術館で開催中の『カラヴァッジョ展』を見て来ました。  なお、青字の部分は、担当学芸員による3/23(水)の館内スタッフ向けレクチャーを.. Weblog: はなこのアンテナ@無知の知 racked: 2016-04-05 16:15
  • カラヴァッジョ展 @国立西洋美術館

    Excerpt: 上野の国立西洋美術館で開催されている、「カラヴァッジョ展」(~6月12日まで)を Weblog: セレンディピティ ダイアリー racked: 2016-04-06 10:29