ごみつ通信

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<<   作成日時 : 2018/07/19 20:44   >>

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2018年/日本 (監)是枝裕和
(演)リリー・フランキー 安藤サクラ 松岡茉優 池松壮亮 城桧吏 佐々木みゆ 緒形直人 森口瑤子 柄本明 高良健吾 池脇千鶴 樹木希林
☆☆☆★★★

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http://gaga.ne.jp/manbiki-kazoku/

第71回カンヌ国際映画祭で最高賞のパルムドールを受賞。是枝監督による社会派人間ドラマです。

都会の片隅、高層ビルの谷間にある古びた平屋の一軒家。そこには、家主である初枝(樹木希林)と、中年男性の治(リリー)その妻の信代(安藤サクラ)、息子の祥太(城桧吏)、信代の妹の亜紀(松岡茉優)の5人が暮らしていた。

彼らは実は一切の血縁関係がない疑似家族。一家は日雇いで働く治の安定しない収入と、初枝の少ない年金に支えられていた。そして足りない分は、家族ぐるみの万引きで補う毎日。

↓万引き被害でつぶれる店もたくさんあるので、腹立だしいシーンではあるんですよね〜・・

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ある日、治と祥太はビルの中で寒さに震えていた小さな女の子を見つける。親に虐待されていたその女の子を両親のもとには返さずに自分たちの家族として一緒に生活を始めるのだが・・。

この作品、凄かったな〜。是枝監督作品は、私はあと「海街ダイアリー」しか見ていないんだけど、あの姉妹たちの関係性をさらにさらに、つきつめていって「家族」とは何なのかを描いた作品です。

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普通の人たちは、普通に血縁による家族がいて、普通は最も信頼できる存在だと思っている。血縁による愛情にまさるものはないと感じている。それは私も同じで、最後に頼るのは血縁関係者しかいないと思ってます。

でも、それって本当にゆらぐ事のない関係性なんだろうか?

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血縁から見捨てられ、暴力をふるわれ、精神的に行き場のない者たちにとっては、誰が信頼できる存在なのか?たった一人で生きていく事が出来ない者たちが集まり、やがては疑似とは言え、愛情で結ばれた幸せな関係を築き上げていく・・。

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でもその幸せは砂上の楼閣。あの万引きはばれてしまい、捕まった時点で何もかもがお終いになるっていう物凄く危ない綱渡り。祥太は学校には通っていず、女の子をだまって保護した事は誘拐という犯罪でもある。

そして、初枝が亡くなった事により、全てが終わりを迎える。

とにかく、この6人の姿の中に、今の日本社会が抱えるたくさんの問題が凝縮されているのも凄いんですよ。彼等みたいな存在って、決して絵空事じゃないと思うんですよね。色々な意味で今の日本人にこそ見てもらいた作品だと痛切に感じました。

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それとこの作品で最も素晴らしいのは、役者たちの演技の自然さと、画面から溢れてくる呼吸音っていうか、人間が生活しているあれこれのリアリティーの描写です。

私が一番好きなシーンは、縁側から家族全員で、花火の音だけを聞くシーン。こういうシーンのある映画を見れるのは本当に幸せな事です。

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「万引き家族」☆ハッピーでもバッドでもない是枝エンド
確かに是枝作品である。 ハッピーエンドにはならない、かと言ってバッドエンドでもない。深く深く掘り下げてから、穴を塞がないままそっと立ち去ってしまう。 まさにそれが是枝エンドの見事さなのである。 ...続きを見る
ノルウェー暮らし・イン・原宿
2018/07/20 01:23
「万引き家族」
2018年第71回カンヌ国際映画祭パルム・ドール受賞。日本人監督としては21年ぶりの快挙である。そしてそう、本作は確かにパルム・ドールに相応しいと思う。 もしも私が、「今年あなたが観ていい映画は、カンヌ国際映画祭71回分全てのパルム・ドールに限る」、と言われたら、幸せなことだといえば幸せなことなのだろうけれど、それはそれで辛過ぎて、もしかしたら映画嫌いになってしまうかもしれない…。と、あらぬことを考えさせられる位に、数ある映画祭の賞の中でも、カンヌのパルム・ドール受賞作品は重いテーマを孕んだ作品... ...続きを見る
ここなつ映画レビュー
2018/07/20 12:41
万引き家族
今にも壊れそうな平屋に、治と信代の夫婦、息子の祥太、信代の妹の亜紀の4人が転がり込んで暮らしている。  彼らの目当ては、この家の持ち主である老女・初枝の年金で、足りない生活費は万引きで稼いでいた。 冬のある日、体中傷だらけで震えていた幼い少女を、見かねた治が家に連れ帰る…。 ヒューマンドラマ。 ≪盗んだのは、絆でした。≫ ...続きを見る
象のロケット
2018/08/25 19:53

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コメント(12件)

内 容 ニックネーム/日時
ごみつさん☆
1つ1つのシーンが胸に突き刺さって苦しくなったりほっこりしたり、いつまでも心にとどまっている貴重な映画だったですよね☆
現代の日本が抱える多くの問題を凝縮していました。

最後は哀しくなる結末を迎えるけど、嫌な感じがしない、是枝監督って凄いですよね〜〜
音だけの花火を楽しむシーン、良かったデス!!
ノルウェーまだ〜む
2018/07/20 01:23
こんにちは。
「万引き家族」というタイトルに覆いかぶさる「盗んだのは、絆でした」のコピー。これ、かなり象徴的ですよね。万引きをはじめとした犯罪はもちろんいけないことだし許されるべきことではないのだけれど、さらっと観てしまうと「生活のためもあるし、そうはいっても血縁関係よりいい関係ジャン?」と思ってしまいそうなのですが、ホントはその「いい関係」も盗んだものから誕生したに過ぎない。
>でも、それって本当にゆらぐ事のない関係性なんだろうか?
と書かれていらっしゃいますが、私も本当にそう思いますよ。
ここなつ
2018/07/20 12:41
ノルウェーまだ〜む 様

こんばんは!
コメントとTB有難うございます。

見終わって1週間以上になりますが、今も色々なシーンが脳裏によみがえります。特に小さなりんちゃんの事が気になって・・。
映画友達と3人で見に行ったのですが、見終わってから、りんちゃんのその後が心配・・っていうのが一致した感想でした。

ラストは悲劇的ではあるんだけれど、これからの彼等の人生がさらに悪くなるのか、好転するのかは誰にもわからない。
それでも、あの疑似家族が過ごした幸せな時間が、彼等のそれぞれの心の中にきっと何かを残したに違いない・・って思えるから、嫌な気持ちにならないんでしょうね。

そのあたりのバランスも本当に見事でしたね〜。


ごみつ
2018/07/21 01:18
ここなつ 様

こんばんは!コメントとTB有難うございます。

ここなつさんの記事の中でも、何度も反問されてましたが、これは答えのない作品なんですよね。
この映画ほどファンタジックなシチュエーションはないだろうけれど、きっと世の中に近い出来事はたくさん起こってるんだろうと思うし、きっと現実はもっともっと厳しい。

是枝監督による、観客への問題提起なのかな〜。

それと世の中には血縁じゃなくても素敵な親子関係、家族関係(そもそも夫婦は他人ですしね)を築いている人も大勢いるでしょうし、血縁が全てではないですよね。

色々と考えさせられる作品でした。
ごみつ
2018/07/21 01:23
ごみつさん、こんばんは🌇
安藤サクラの泣くシーンがよかったです。というか、安藤サクラの演技は白眉ですね、あの映画の中では。
治と信代はどうやって初枝と知り合い一緒に住むことになったのか?
どうしてりんの虐待のことを取り調べで誰も言わなかったのか?など、謎は残っています。
家族の絆が薄くなってきているとは思うけど、単一民族国家の日本はまだまだ海外に比べたら家族意識が強い国民と思う。それだけに家族の絆が薄い人にとっては、拠り所が少なくて生きづらい世の中なのかな、と思いました。
dumbo
2018/07/21 01:49
ごみつさん、こんにちは。
遅ればせながら私もようやく見てきました。
ものすごくパワフルな作品でしたね。
>今の日本社会が抱えるたくさんの問題が凝縮されている
ふだんは見えない、あるいは目をそらしている現実が、ぐいと目の前に突き付けられるのを感じて、序盤はとにかく息苦しかったです。
終盤、トランプのカードを表にするように、次々と明らかになる真実にも驚かされました。
正論では、ああすれば、こうすればと言えるのだけれど、それでは解決できない問題があるのだろうな...いろいろ考えさせられる作品でした。
セレンディピティ
2018/07/21 17:54
dumbo さん

こんばんは!
お暑うございます。お元気ですか?
私は夏風邪をひいていたのですが、ようやく治ってきました。

安藤サクラの泣くシーンは、ケイト・ブランシェットも感銘をウ方らしくて、今度真似するかも!みたいな事を言ってましたよ。
あの取り調べのシーン、実はちょっととってつけた感じもしたんだけど、安藤サクラの演技は見事でしたね〜。

最期の方でちょっと背景がわかったりしたけど、ここに至るまでのそれぞれの人生の物語があるんですよね。
それをはっきりと明示しないあたりが良かったです。

「あなたの人生の物語」でもあったかもしれないんだよ・・っていう余白ですよね。
家族の在り方なんかのテーマも含めて堪能いたしました。
ごみつ
2018/07/22 00:21
セレンディピティ さん

こんばんは!
序盤が息苦しかった感じ、良くわかります。
日本映画だと、色んな描写がとても生々しく感じるんですよね。
同じ日本人だからこそ感じるリアリティが苦しいんですよね。

その点、外国映画だと一歩ひいた目線で見られるんですよね。
ただ、セレンさんもおっしゃてる様に、目をそらしてはいけないんだ!っていうのをひしひしと感じた作品でした。

普通は何事もなく生活を続けていけるけど、人って何かをきっかけに人生の歯車が狂うっていう可能性は大いにある。
きっとこの映画の誰もが(子供をのぞく)いつの間にかこうなっていたんだと思うんですよね。

とにかく子供だけは、社会が救ってあげないと・・と心から感じました。
ごみつ
2018/07/22 00:29
わたしはこの作品を見ていないのですが・・・・・・手塚治虫の作品に似た挿話があったように思います。面白そうですが、見るのが怖い気もします。

幻冬舎から
「Lily lily rose」
という作品が出ています。母を亡くし、独身のおば(母の姉妹で、幸い優しい人)に預けられた少女がちょっとずつ立ち直っていく話。最近こういう家族再生の物語が流行しているように思います。時代でしょうか。
だぶるえんだー
2018/07/23 07:05
だぶるえんだー 様

こんばんは!
「Lily lily rose」ってコミックなんですね?

本当に最近はこういうテーマの作品が増えてきた感じしますよね。
この「万引き家族」はいつのまにか貧困層が増えてしまった今の日本社会を描いた作品でもあって、バブルがはじけた時には大騒ぎだったけど、社会の破綻っていうのは、こうやってじわじわ・・と訪れてくるのだな〜と身を持って感じてます。

これからの日本、何だか先行き暗いですよね・・。
ごみつ
2018/07/24 00:50
  バブル崩壊・・・・・・・フランス革命と同じくらい遠く感じられますよ。私も目撃したはずなのに。
  「Lily lily rose」
楽しい作品です(やや幻想的ですが)。安価ですし、気が向いたら購入してください。第二巻が出るかどうか危うい(第一の売れ行き次第)そうですので。ああ出版社会も破綻しつつありますな(苦笑)。
  
だぶるえんだー
2018/07/24 08:20
だぶるえんだー 様

こんばんは。
バブル崩壊したのが90年代のはじめ頃だから、もう20年以上前なんですよね〜。
ホント、振り返ると大化の改新くらい前な感じがします。(笑)

「Lily lily rose」、だぶるえんだーさん応援してる作品なんですね。機会あったら購入して読んでみますね。

※絵文字が入力出来なくなってて、殺風景でスミマセン。(;^ω^)
ごみつ
2018/07/24 21:32

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