シャイニング (映画)

The Shining
1980年/アメリカ (監)スタンリー・キューブリック
(演)ジャック・ニコルソン シェリー・デュヴァル ダニー・ロイド
スキャットマン・クローザース バリー・ネルソン
☆☆☆★★★

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「ドクター・スリープ」鑑賞に備えて久しぶりにアマゾンプライムで鑑賞。

豪雪のため冬の間は閉鎖されるホテルに、管理人としてやってきた作家志望のジャック・トランスと、妻のウェンディ、そして一人息子のダニー。

そのホテルでは過去に、管理人が家族を惨殺するという事件が起きていた。そして、ジャックは徐々に精神を病んでいく様になっていく・・・。

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この映画、ホラー映画の金字塔の様になっていますが、原作者のキング自身はこの映画が大嫌いで、かなりの批判をしていますよね。

原作の主人公(アルコール中毒になっている)は、実は、自らもアルコール依存症になっていたキング自身が投影されていたらしく、彼の心の苦しみの描写は、キングにとっては大切な要素だった様です。

それをキューブリックはバッサリと切ってしまった。

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キューブリックにとっては、映画は芸術表現であって、細かな人間の心理は基本的に不要なんですよね。きっとそんなの構っちゃいられないし、あんまり興味もないんじゃないでしょうか?

だから、映画は映像表現に全ての重点が置かれていて、完璧主義的に画面が構成されている。ミニマリズムを貫いていて、生活臭を排除するんですよね。

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だからこそ、キューブリックの映画はいつまでたっても古くならないんです。

そして様々なシーンが強く印象に残る絵となり、記憶の中に刷り込まれる。これはもちろんジャック・ニコルソンの怪演もあってこそ。

久しぶりで鑑賞してみると、ジャック・ニコルソンの演技、めちゃくちゃ大げさで、臭い演技なんですよね。彼はこの映画にあの演技が必要だった事がわかってたんでしょうね。ホント、凄いワ。

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これは美しく彫られた氷の彫刻ですね。人間の持つ生身の暖かさを極力排除しているので、同じシャイニングを持つ黒人のハロランの行動が、凄く心に残る。助けにきた途端に殺されちゃったけど。

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映画見て「そんなに大した作品じゃない」「面白くない」っていう意見を結構見かけますが、時間が経つとわかると思う。いかに色々なシーンが自分の中に刻印されたかを。

🎁 おまけ情報

このシーンで家族が会話してる「ドナー隊」の事故って何だろう?って思って調べたら凄かったので、興味があったら検索してみて下さい。

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ホテルの支配人を演じてるバリー・ネルソンは、ショーン・コネリーより前にテレビドラマでジェームズ・ボンドを演じていて、実は彼がボンド俳優1号なんだそうですよ。マメ知識。(笑)

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あと、↓、これ聴いてね。

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Al Bowlly - Midnight, The Stars And You
https://www.youtube.com/watch?v=Rb9t9kPRAH8


新装版 シャイニング (上) (文春文庫)
新装版 シャイニング (上) (文春文庫)

新装版 シャイニング (下) (文春文庫)
新装版 シャイニング (下) (文春文庫)



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この記事へのコメント

2019年12月07日 01:17
ごみつさん☆
たった今小説の「シャイニング上下」読み終わりました!
勿論映画もちゃんと見て、あとは明後日、満を持して「ドクター・スリープ」に行きます!!

じっくりと人物描写でじわじわと迫って行くキング作品と、映像で一気に伝えようとするキューブリック作品の違い、ごみつさんの説明が良く判り易いですね♪
ジャックがキング自信を投影していたの凄く納得です。

それにしてもショックなのは初代ジェームスボンド!ないわ~~
2019年12月07日 01:35
ごみつさん、こんばんは。
ドクター・スリープ、どうしようかな~と思っていましたが
その前にシャイニングを復習しておいた方がよさそうですね。
だいぶ記憶が薄れてきています。
ドナー隊の話... 覚えていません。><
いろいろ豆知識もありがとうございます。^^

007の新作のトレイラーも出てきてますが...
元祖はまったく違うキャラだったんですね。@@
2019年12月07日 09:36
キングも苦労人なんですね。プアホワイトというやつでしょうか。
酒浸りになって世を愚痴るというのも、人間らしいというか、
ジャックにぴったりですね。オリジナルを気に入っていないという事は、
今回のリメイクは、キングにとっては期待大という処ではないでしょうか。

ホラーに自己の過去を投影するって、勇気が要る事だと思います。
恐いものとか、穢れのあるものと、自分の血と骨の物語を隣り合わせる事だと
思いますので。キングにとっては、死を象徴するホラーが、不死身であるとか
人間の再生の居場所なんでしょうかね。

言ってみれば、聖地や信仰というのも、悪の巣や悪霊と紙一重かも知れません。
死に往く者というのは、祀られる事によって、恨みを忘れられるのではない
でしょうか。生きる人間が恨み嫉んだりする事と、悪霊の感情?は変わらない
のかも知れません。

ジャックの演技は確かに馬鹿みたいですね。ビジュアル的にはOKなんでしょうか。
大切なのは中身だと思いますが。
ごみつ
2019年12月07日 15:51
ノルウェーまだ~む 様

こんにちは。
「シャイニング」読み終わったんですね。私、読んだのがかなり前なので、詳細は忘れちゃいましたが、映画は雰囲気をガラリと変えてしまっているので、キングが気に入らないのもわかる気がします。

とは言え、やっぱ「シャイニング」は凄い映画ですよね。

「ドクター・スリープ」凄く良かったですよ!楽しみに鑑賞して下さいね!

私も近々に「ドクター・スリープ」の原作読もうと思ってます。(*‘∀‘)

ボンド1号、「え・・ちょっと・」ですが(笑)、この頃、まだボンドはそんなに人気キャラクターじゃなかったからでしょうね。(;^ω^)
ごみつ
2019年12月07日 15:58
セレンディピティ さん

こんにちは。
「ドクター・スリープ」面白かったですよ~~。「シャイニング」は以前に見た事があるなら、再見しなくても大丈夫だと思いますよ。

私は鑑賞したのがかなり前だったので、念のため再見していきました。

ドナー隊の話は、再見して気が付きました。このシーンの事、全然覚えてませんでした。(;^ω^)

ボンド1号の俳優さんはアメリカ人だし、ドラマもアメリカなので、ちょっとヤンキーっぽいボンドですよね。(笑)
ショーン・コネリーがボンドを人気キャラクターにしたんだと思います。
ごみつ
2019年12月07日 16:12
隆 さん

こんにちは。

キングも、父親が失踪したりして、かなり辛い幼少期だったみたいですよね。
アルコール依存になったのは、仕事のストレスじゃないかしら?その後薬物中毒にもなったみたいですが、そんなれこれが、作品の糧になってる気はしますよね。

私も好きなのでわかるのですが、ホラーって、基本的にファンタジーだから、実際にあった犯罪ものよりも、心が休まる感じするんですよね。「え、ここでいきなり本物の悪魔!?」みたいな。(笑)

「フロム・ダスク・ティル・ドーン」ってご覧になった事ありますか?ああいう感じが最高。

キングに関してはやりきれない人生への想いや、辛い気持ち、理不尽さへの感情を、ホラーの中に投げ入れて、昇華させてるじゃないかな~って感じてます。

ジャックの演技、ホント、鼻につくくらいクサいですよね。でも、だから怖いんですよね。(;^ω^)
ヌマンタ
2019年12月10日 16:24
私からすると、キングは映画化に恵まれ過ぎなんです。マキャモンやクーンツの作品の映画化ときたら、良くてB級、はっきり言えばC級映画の屑山ですから。

ハリウッドさんよ、ちょっと依怙贔屓が過ぎるぞと言いたいですね。まァ、シャイニングは小説と映画は別作品ですけどね。どちらも出来は良いと思います。それだけでも、キングは恵まれていますよ。
ごみつ
2019年12月11日 01:26
ヌマンタ さん

こんばんは。
キング作品は、ホントに映像化に恵まれてますよね。A級映画もたくさんあるし、B級の上みたいな作品もいっぱいあって楽しめます。

そもそもホラー映画はどうしてもB級になりやすいし、その方が楽しめるのも事実。

クーンツは「オッド・トーマス」の映画化作品はなかなか良かったですよ。

それにつけても映画の「ウルフェン」が見たい!(゚Д゚)ノ