心に残った本 秋の4冊

10月以降に読んだ本で面白かった4冊を簡単に。

「池袋ウエストゲートパーク」
石田衣良 著 文藝春秋 電子書籍
☆☆☆★★

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刺す少年、消える少女、潰しあうギャング団。池袋西口公園にたむろするハイティーンたちを主人公に、ストリートの「今」を鮮烈に描く青春群像。オール読物推理小説新人賞受賞作。(Bookデータベースより)

この作品、宮藤官九郎のテレビドラマが話題になってましたよね。私は小説もドラマも見ていなかったのですが、Kindleで無料になっていたので、このシリーズの1作目を読んでみました。

主人公の真島誠は、もと不良だが、正義感が強く人の良い青年。実家の果物屋を手伝いながら色々な事件に首をつっこむ羽目になっていく。切れ者でもあり地元では有名人。時々、警察の仕事まで手伝ったりする若者。

その彼が関わる事になった様々な事件がオムニバス形式で綴られていく作品です。私が読んだ1作目には4つお話が入っていてどれもなかなか面白かった。基本的に誠がとても良い人間なので爽やかに楽しめる娯楽小説でした。

1作目の発売は1998年。このシリーズ、今でも続いていて今年16作目が刊行されました。全部おっかける気はないのですが、クドカンのドラマはちょっと見てみたくなってます。

「夏空白花」
須賀しのぶ 著 ポプラ社
☆☆☆★★

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1945年夏、敗戦翌日。昨日までの正義が否定され、誰もが呆然とする中、朝日新聞社に乗り込んできた男がいた。全てを失った今こそ、この国に希望を作るため、戦争で失われた「高校野球大会」を復活させなければいけない、と言う。不良記者の神住は、人々の熱い想いに触れ全国を奔走するが、そこに立ちふさがったのは、思惑を抱えた文部省の横やり、そしてGHQの強固な拒絶だった…。(Bookデータベースより)

タイトルは「なつぞらはっか」と読みます。知人からいただきハードカバーで読みましたが、文庫も発売になっていますよ。

終戦間もなく、GHQ占領下の大阪が舞台。米国の占領下で、屈辱を感じつつも、新しい価値観の中で前へ進んでいこうとする主人公の神住(かすみ)。

食べるものもままならないままに、高校野球を復活させようとする神住の心の中にある大きな悲しみ、彼をとりまく人間たちのそれぞれの想いなどが描かれ心に残る作品になっています。

野球が好きな方の心に大きく響きそうです。私は学生時代、プロ野球に夢中だった頃があり(巨人ファンでした。)、実はその頃、戦前~戦後の野球史にはまっていた事があったんですよね。

だから沢村栄治の名前が出るだけでも、ジワっと涙が出てくるんですよ。可能であれば、沢村についてちょっと調べてから読むと感動もひとしおだと思います。

「三体II 黒暗森林」上下巻
劉慈欣 著  大森 望・立原透耶・上原 かおり・泊 功 (訳)
早川書房
☆☆☆★★★

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ついに「三体」の第2作目、「黒暗森林」の日本語訳が発売になりました!上下巻速攻で購入。これ、ホントなら単独で記事にしたかったのですが、来年発売予定の3作目「死神永世」を読んだらきちんとまとめて記事にしようと思います。

これが1作目の記事
https://22596950.at.webry.info/201910/article_7.html

っていうのも、この「黒暗森林」ね、凄かったんですよ。1作目の内容からの展開が劇的でめちゃくちゃ壮大です。

ザクっとストーリーを書いておくと、1作目において、文化大革命を経験した事により人類に絶望した天体物理学者の葉文潔は宇宙にメッセージを発信します。そのメッセージは3つの太陽を持つ三体惑星によって受信される。間もなく太陽が衝突する運命にあった三体惑星は地球を新天地にするために地球侵略のための艦隊を送り出した。

人類よりもはるかに進んだ文明を持つ「三体」は、人類の科学進歩をとめるために極微スーパーコンピュータ・智子(ソフォン)を先発で送り込んでいた。ソフォンによる監視から逃れる唯一の方法は考えを頭の中にとどめる事のみ。

それを前提とし、前代未聞の「面壁計画(ウォールフェイサー・プロジェクト)」が発動する。地球の命運は4人の面壁者たちに託される事となる。

「三体」の艦隊が地球に到着するのは400年後。200年の人工冬眠から目覚めた面壁者が見た世界とは・・。

下巻にはいってからの面白さは凄かったナ。この下巻で黒暗森林という言葉の意味もわかります。

さて、この小説、ネットフリックスでドラマ化が決定した様で、スタッフはあの超名作ドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」の面々との事です!!なぜアマプラではないのか!?ジェフ・ベゾスの馬鹿!(笑)何にせよ凄いドラマになると思うよ。楽しみだな~~。

「奴隷のしつけ方」
マルクス・シドニウス・ファルクス (著) ジェリー・トナー (著) 橘明美 (訳)
ちくま文庫
☆☆☆★★

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古代ローマ貴族が教える、究極の“人を使う技術”

奴隷を買うなら若い者を。
成果報酬の導入でやる気アップ。
奴隷は資産ですから、働けないほどの罰を与えてはいけません。
家族をもたせて人質にとり、互いを分断して反乱を防ぎましょう。
古代ローマ貴族の奴隷マネジメント術は、現代の経営者にも役立つこと間違いなし! 
古代ローマの奴隷制から現代日本の問題が見えてくる、知的エンターテインメント。

うちの職場で見かけて、「へ~、こんな記録が残っていたのか~」とばかりに衝動買いしてしまいましたが、著者の古代ローマ人、マルクス・シドニウス・ファルクスは架空の人物なのよ!だまされた。(笑)本当の著者は、北方の不毛な属州(イギリス)で教師をしているというジェリー・トナーです。

この本、レビューを見て見ると、現代日本社会におきかえてみたり、従業員のマネージメントの在り方にからめたりの感想を多くみかけますが、これは純粋に帝政ローマ時代の奴隷制度について、面白い形態で語られる歴史教養書だと思った方が良いです。

そもそも、人間なんてそう変わりゃあしないので、奴隷だろうが、軍隊だろうが、現代の従業員だろうが、集団をマネージするための方法は根っこは同じですよ。

この本は、ジェリー・トナー氏が、古代の文献にある奴隷に関する記述を、一人の人物に語らせる・・というスタイルをとった面白い本でした。古代ローマ帝国好きの方には、軽く読めるし、お勧めの1冊です。

表紙のイラストはヤマザキマリさんです。

さて、今年も2か月きりましたね~~。早いですね!


池袋ウエストゲートパーク DVD-BOX - 長瀬智也, 加藤あい, 窪塚洋介
池袋ウエストゲートパーク DVD-BOX - 長瀬智也, 加藤あい, 窪塚洋介

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この記事へのコメント

2020年11月15日 14:59
ごみつさん、こんにちは。
10月もたくさん読まれましたね。
「池袋ウエストゲートパーク」は出た頃に読んだのですが
だいぶ忘れてしまいました。(一番大きな秘密?は覚えていますが)
実はあまり好みの作品ではなくて、続編以降は読んでいないのですが
もう16作も出ているんですね! 人気のシリーズですね。

須賀しのぶさんは「革命前夜」「また桜の国で」と読みましたが
とても好みの作家さんで、また何か読んでみたいなーと思っていました。
私は野球のことはほとんど知らないので
この作品が楽しめるかどうか心配ですが
GHQ占領下の日本という時代設定に興味があります。
機会があったら読んでみたいです。

三体、いよいよドラマ化されるのですね。
NETFLIX制作ということで、こちらも期待できそうですね。
2020年11月15日 23:00
ごみつさん☆
「池袋ウエスト~」は途中まで読んで実は放棄してました(笑
私、石田衣良と相性が悪いみたいで、他の作品も結局初めの方で早くも「イライラ」しちゃって読み進まないのでした・・・
再チャレンジしてみようかな~?
「奴隷のしつけ方」はいかにも気になっちゃう題名ですよね☆
最近はこういったハウツー本が本当に増えていると感じます。
面白く読めるものは良いですけど、たまに私でも書けるわっ!という内容のものもあるのでこういった感想は有り難いデス~~
ごみつ
2020年11月16日 00:06
セレンディピティ さん

こんばんは。

「池袋」読まれた事あるんですね!何となく相性があわなかった感じわかります。私もそれほど気にいたワケでもないんですが、短編なので軽く読めて良かった。
これはもしかするとドラマの方が面白いのでは?という気もしています。

「夏空白花」は野球がテーマですが、それを題材にした人間ドラマです。なかなか面白かったですよ。

それと「三体」!Netflixで製作発表がされただけですが、これは凄いドラマになると思うな。どう映像化するのか興味津々です。楽しみ~。(*´ω`)
ごみつ
2020年11月16日 00:11
ノルウェーまだ~む  様

こんばんは。

まだ~むさんも、石田衣良さんとは相性悪いんですね。
実は彼の作品はこれがはじめてで、まあまあ面白かったけど、はまるほどじゃないかな。
やっぱり本って相性ってありますよね。

「奴隷のしつけ方」タイトルがキャッチー(笑)ですよね。
古代ローマの文献に記述されてた事なので、ちょっとした教養書って感じで楽しめましたよ。(*'ω'*)
lingo
2020年11月17日 11:07
ごみつ様

「三体」第2部、私も発売後さっそく読みました。
第1部も衝撃的でしたが、第2部は衝撃的というより驚異的?
予想もできない展開でしたね。

これが映像化されるとは、とても楽しみです。
とくに、200年後の世界、三体からの水滴(?)攻撃シーン、
最後のシーンも、どんなふうに映像化されるんでしょうか?
ごみつ
2020年11月18日 01:42
Lingmu 様

こんばんは。

実のところ1作目を読んだ時は「こんなものか・・」っていう感じが捨てきれなかったのですが、この2作目は凄かったですね。
展開がまったく読めませんでしたし、あの水滴ね!!あれ凄いね。
下巻のラストあたりは息をのむ感じでした。

今から3作目がすっごい楽しみです。ハッピーエンドなのか、アンハッピーなのか、諸行無常なのか・・。( ̄▽ ̄;)
kinkacho
2020年11月20日 21:03
ごみつさん、こんにちは。
三体、続編出てましたね。本屋で見て「あ~読まなくちゃ」と思ってました。
一作目は読んでます。しかし、感性が鈍ったのか、昔のSFを読んだ時の衝撃はなかったですね。三部も出てから、まとめて読み直します。
むしろ、映像を狙おうかな...
ごみつ
2020年11月21日 21:14
Kinkacho さん

こんばんは!

実は私も1作目は面白かったけど、「こんなもんか・・」って感じではあったんですよね。

でも続編はなかなか凄かったですよ。この展開はまったく読めませんでした。

来年には3作目が出るので、それから読んでも良いかも。ドラマはこれから製作なのでこっちも放映は来年でしょうかね。

楽しみですが、Netflixなのでいつ見られるかな~。(