ミナリ

Minari
2020年/アメリカ (監)リー・アイザック・チョン
(演)スティーヴン・ユアン ハン・イェリ ユン・ヨジョン ウィル・パットン スコット・ヘイズ アラン・キム ノエル・ケイト・チョー
☆☆☆★★★

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https://gaga.ne.jp/minari/

アカデミー賞の有力候補という事で話題になっている「ミナリ」を劇場で鑑賞してきました。

韓国系の移民二世で、アメリカの田舎町で育ったリー・アイザック・チョン監督が、自らの体験をベースに撮り上げ、全米のみならず世界中の映画賞を席巻する活躍で話題となった家族ドラマです。

アメリカン・ドリームを信じて韓国からやってきた移民家族の物語なのですが、何とか農業で成功したいと奮闘する夫、病弱な息子を抱えて安定した生活を望む妻との確執、

子供たちの面倒を見てもらうために韓国からから呼び寄せた妻の母親との生活、とある事から発生する惨事、困難を前にした家族が再び絆を深めていく過程が淡々と描かれていきます。

この作品、どこの国が舞台であれ、移民として生きている人々の胸に強くささる映画じゃないかな、と思いました。

世間にありがちな家族の姿のあれこれが描かれていますが、それが母国を舞台にしているのか、移民先の外国を舞台にしているかでは大きく異なってくる。それでもどちらであれ、最も大切なものは家族なのだという事こそがこの映画のテーマだと思いました。

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この家族の物語には、一人のアメリカ人ポールも深く関わりを持っていきますが、ここは同じキリスト教大国である、アメリカと韓国だからこその宗教的描写も面白かった。

ただ私が最も興味をひかれたのは、この作品の時代背景です。80年代が舞台なので、ちょうど「タクシー運転手」と同じ頃なんですよね。

夫婦の言葉から感じられるソウルと地方のちょっとした断絶感、ポールは朝鮮戦争に出兵していて次世代の韓国人夫婦との関係の在り方、「韓国をどうしても出たかった」と語る夫が何を母国で経験していたのか、そんなのがとっても気になった作品でした。

本当に静かな作品ですが、心に残る佳作です。お勧め。

ミナリとは、韓国語でセリの事。セリはラストで大きな意味を持ってこの映画のラストを締めくくります。

ところで、私、この映画はてっきり韓国映画だと思ってたのですが、ブラッド・ピットが製作でクレジットされてたので「あれ?」と思ったらアメリカ映画なのね。時代は変わってきたな~な感じをあらたにいたしました。

ブラピの製作会社プランBエンターテインメント(調べたら凄い映画いっぱい。ビックリした。)と、「ムーンライト」を製作したA24との共同製作の作品で、アカデミー賞も大きく変わってきてるのを感じました。

この映画のこの1曲 

エンディングで流れるこの曲を歌ってるのは妻を演じたハン・イェリさんです。このサントラのジャケ写真、何となく「パリ、テキサス」っぽくて素敵だな。

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Emile Mosseri, Han Ye-ri - Rain Song | Minari (Original Motion Picture Soundtrack)
https://www.youtube.com/watch?v=bWAvMosdnC0


ツリー・オブ・ライフ [DVD] - ブラッド・ピット, ショーン・ペン, ジェシカ・チャステイン, フィオナ・ショウ, ハンター・マクラケン, テレンス・マリック
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この記事へのコメント

2021年03月27日 17:46
ごみつさん☆
桜よりセリだったのですね!?(笑

どこに住んでいても問われる家族の在り方がテーマでしたね。特に移民である、異国に住んでいることでより一層その絆は重要になってくると感じます。
私も韓国では住めない、母国から逃げ出してきた訳や、韓国人の集まりである韓国の教会を嫌う人がいる理由も気になっていました。
どうしても根付いていかなくてはならないプレッシャーと同時に、何かしがらみから解放された自由と希望を感じさせてくれる作品でした。
ごみつ
2021年03月27日 19:05
ノルウェーまだ~む 様

遅ればせながらの記事に早速のコメント、有難うございます。

桜よりセリ・・は花より団子的な感じで、私にピッタリです。(笑)

異文化の地に異国人が根付くのは本当に大変な事だと思うし、逆に母国のしがらみにがんじがらめになってしまう辛さもわかる。

人間が生きていくっていうのは、色々と大変なものだけれど、家族の支えあってこそっていうテーマが感じられたのも良かった。

とても地味な作品だけれど、地味だからこそ、そのきつさ辛さも等身大でわかるんですよね。良い映画でした。(*‘∀‘)
2021年03月28日 15:25
こんにちは!
感想、楽しみにしていました♪

雰囲気のあるすてきな映画でしたが、ちょっと物足りなかったかなあ。
実を言うと、あの奥さんには結構イライラしました。
苦労していることも努力していることもわかるのですが、夫や子どものために我慢しています、という感じがどうにも鼻につくんですよね。
「いやなら帰れば」と言いたいところですが、彼女の生い立ち、時代、韓国の文化なども関係しているのかもしれません。そのあたり、もう少し説明がほしかったです。

サントラのジャケ写真、かっこいい!
ポルシェとトラクターは赤に限りますね。
ごみつ
2021年03月28日 23:47
Tae さん

こんばんは。

良い映画でしたが、どことなく物足りないものはありましたよね。ただ、それも、アカデミー賞最有力!とか煽られてるせいかもしれませんね。

あの奥さんは、私はそれほどはイラつかなかったかな。彼女なりに、けっこう辛かったんだと思うし。息子の病気への心配が相当ストレスになってたんじゃないかしら。

説明不足なところも多かったけど、そのあたりは観客の想像にまかされている気もしましたね。
大なり小なり、人って色々な苦労があるものだし、考えてみるとそれを描かないのが、この映画のセンスの良さなのかも・・とも思えてきました。

このサントラのジャケット写真、素敵ですよね。
赤いトラクターと言えば小林旭、燃える男のトラクターは必ず赤です。(爆)

2021年04月18日 01:01
ごみつさん、こんばんは。
すみません。本作、なんとなくコメントしたつもりになっていて
すっかり忘れておりました。
遅ればせながら、失礼いたします。

母国の政情不安からアメリカに移り住むというのは
大いにあり得ることですね。
日本人の多くが、いずれは母国に帰るつもりでいるのに対し
祖国を捨てて来ている他の国の移民たちは
生きるための本気度というか、心構えがまるで違うと感じます。
家族のお荷物的になっていた祖母が育てたミナリが
家族を救う糧になることが暗示されていたのも印象的でした。
ごみつ
2021年04月19日 01:02
セレンディピティ さん

こんばんは。
コメント、有難うございます。

セレンさんのところでお話させていただきましたもんね。

「タクシー運転手」でも描かれてましたが、当時韓国は政情が不安的で、生きにくい人もたくさんいたのかもしれませんね。
日本は島国っていう事もあって外国人と生活の接点がないし、凄い政情不安になった事もないので(近代は)、覚悟をもって移住する人は本当に少ないだろうと想像します。

おばあさんの育てたミナリが、家族を救うっていうラストの暗示こそがこの映画のテーマだったんだな~って思いました。(*´ω`)