朗読 赤ひげ診療譚

引き続き、毎日の様に出勤時に朗読を楽しんでいます。

Youtubeにアップされているものは、圧倒的に時代小説が多く、しかも時代小説は非常に聞きやすいので、聞いている作品のほとんどが山本周五郎か藤沢周平になっております。

今回、心の底から堪能した作品「赤ひげ診療譚」をちょっとご紹介まで。

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「赤ひげ診療譚」は、黒澤明の名作映画「赤ひげ」、そして昔NHKで放映されていたドラマ「赤ひげ」(小林桂樹版)で、おおまかなストーリーは知っていましたが、今回全作を聴いてみて、作品の素晴らしさにほとんど絶句してしまいました。

江戸時代中期、小石川養生所の医師、新出去定(にいできょじょう)と、長崎で西洋医学を学んできた若者、保本登の2人を主人公にして、患者との関係、そして医学とは何か、人間が生きるという事はどういう事なのかを描いた医学小説の金字塔と言って差し支えない傑作小説でした。

新出去定は、実在の町医者、小川笙船(おがわ しょうせん)がモデルとの事。小川笙船は、徳川吉宗が設置した目安箱に、貧しい者たちを無料で診療する施薬院をつくる事の必要性を投書。それが暴れん坊将軍にとりあげられて小石川養生所が出来たのですね。

赤ひげは常に医学というものの限界を語り、人間自身が生きようとする自然の力には決して敵わないと語る。医師はその手助けをしているにすぎないと。

江戸時代の医学とは、これすなわち、薬による治療がほとんどだからこそ、医術の限界を感じながら、それでも病人を何とか救おうという養生所の医師たちの姿が描かれていきます。

たまに外科手術もあるのですが、これはもうホント大変。施術する方も、もちろんされる側も地獄です。

↓ 小石川療養所は、幕府の小石川御薬園の敷地内につくられました。現在の小石川植物園です。

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朗読を聞きながら何度も涙が溢れそうになり、電車の中なので大変でした。この作品ほどヒューマニズムに溢れた小説はそうそうないだろうと思いました。

作品は全7話。御番医師(幕府内の医師)になる事を目指して長崎で修業してきたのに、貧乏人救済センターに送られて最初はふてくされて反抗していた保本登の成長物語でもあるので、朗読で聞く場合は、これは必ずこの順番通りに聞いて下さい。

狂女の話   1時間22分
駆込み訴え  1時間29分
むじな長屋  1時間50分
三度目の正  1時間21分
徒労に賭ける 1時間10分
鶯ばか    1時間37分
氷の下の芽 1時間26分

私は全てせたいち@朗読研究会さんの朗読でききました。アマチュアの方だと思うのですが、声が小日向文世さんに似ていて聞きやすく、朗読もとっても上手です。

https://www.youtube.com/channel/UCLJe7s9tDCKBnjMBPvhB6Jg

せたいちさんは山本周五郎作品をたくさんアップされていて「赤ひげ」以外には下記を聞きました。どれも傑作で、山本周五郎の筆の力を実感できます。

↓ 山本周五郎はヒューマニズムの作家ですよ。常に貧しい者たちに寄り添っているし、武家を描いてもヒューマニズム溢れています。

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風車      47分
人情武士道   55分
四人囃し    1時間
水戸梅譜    52分
曾我平九郎   56分
しぐれ傘    45分
橋の下     58分
蕗問答     28分
襖       38分
雪の上の霜  1時間37分 これは「雨あがる」の続編ですよ。

朗読、まじ楽しいのでお勧めです。次回は藤沢周平をまとめてみます。


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この記事へのコメント

2021年03月27日 23:24
ごみつさん、こんばんは。
朗読、引き続き楽しんでいらっしゃるのですね。
私はご紹介いただきながら、結局まだ聞いてはいなくて。。。

でも今回ご紹介いただいて、「赤ひげ」は近いうちに
是非読んでみたいと思いました。
楽しみです!
ごみつ
2021年03月27日 23:50
セレンディピティ さん

こんばんは。

朗読は1時間前後の短編だと通勤にもってこいなので、ほぼ毎日の様に聞いてます。

やっぱり連続して聞ける時間は3~40分は欲しいところなんですよね。

先日、百人一首の朗読(現代語訳つき)を聞いたのですが、かなりの詩を一緒に暗唱出来た(心の中で)のが我ながら凄かった。
小学校の時の百人一首大会のおかげですが、若い頃の記憶力って凄かったんだなって思いました。(;^ω^)

「赤ひげ診療譚」、もちろん本でもお勧め!です。
ヌマンタ
2021年03月30日 09:39
朗読かぁ~、目が不自由になることがあったら、それも選択肢ですね。一応治療は終わっているから良いけど、一時真剣に悩んだものです。でも、現状、本を読むほうがいいかな。
ごみつ
2021年03月30日 23:42
ヌマンタ さん

こんばんは。
私も通勤途中でゆったり読書が出来なくなったための苦肉の策って感じです。
徒歩の時間が長いので、歩いてる時も聴けるのが最高なんですよね。

朗読動画のコメントを見ると、目が弱くなって読むのが辛くなったので朗読はとても助かるっていう意見をよく見かけます。

でも字が読めるあいだは私も本を読みたいです。(*´ω`)