藤沢周平 隠し剣シリーズを読む

読み終わってからだいぶ時間がたってしまいましたが、藤沢周平の「隠し剣」シリーズ、全2巻を読みました。文春文庫です。


「隠し剣 孤影抄」
☆☆☆★★★

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秘剣、外に語らず―藤沢周平が剣客小説に新境地を開いた名品集“隠し剣"シリーズ。凶々しいばかりに研ぎ澄まされた剣技を秘める主人公たちは、また人としての弱さもあわせ持つ。剣鬼と化し破牢した夫のため捨て身の行動に出る人妻、これに翻弄される男を描く「隠し剣鬼ノ爪」。他に「邪剣竜尾返し」「臆病剣松風」「暗殺剣虎ノ眼」「必死剣鳥刺し」「女人剣さざ波」「悲運剣芦刈り」「宿命剣鬼走り」の全8篇を収録。(Bookデータベースより)

「隠し剣 秋風抄」
☆☆☆★★★

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この作家のロングセラー“隠し剣”シリーズ第二弾。気難しい読者をこれほど愉しませた時代小説は稀れである。剣の遣い手はさらに多彩に。薄禄の呑んだくれ藩士のくぐもった悲哀を描く「酒乱剣石割り」、醜男にもそれなりの女難ありと語る「女難剣雷切り」など、粋な筆致の中に深い余韻を残す名品九篇を収載。剣客小説の金字塔。

もうとにかくめちゃくちゃ面白いです。2巻目の解説に「気難しい読者をこれほど愉しませた時代小説は稀れである」と書いてありますが、このエンターテインメント性の高さは本当に凄い。

それぞれはけっこう短いエピソードなのですが、その中に、隠し剣のアイデアの面白さ、あわせて主人公の人間性、武士社会のあれこれ、人間模様なんかが描かれていて見事の一語でした。

山田洋次監督により「隠し剣鬼の爪」、「盲目剣谺(こだま)返し」(武士の一分)が映画化され、平山秀幸監督により「必死剣鳥刺し」が映画化されましたが、どれも原作のおかげもあってとても良い映画だったのを思い出します。

太平の江戸の世という事もあり、主人公達は今でいったら普通のサラリーマンみたいな、人によっては窓際族みたいな侍ばかりなのですが、彼等にはそれぞれ師より伝授された秘剣の技があるのです。

それが、様々な理由により、その技を使わなければならなくなる。時代小説が好きな方なら夢中になると思うし、そうでなくても娯楽小説の好きな方は堪能出来ると思います。

この文庫を買う前に、幾つかは朗読で聴いていて、そのあまりの面白さに文庫を購入した次第です。

朗読は全て松平定知さんです。1話完結の短編ですのでどれを聞いてもOK。興味がありましたら是非。youtubeで検索すればすぐに見つかると思いますよ。

藤沢周平 「暗黒剣千鳥」  1時間14分
藤沢周平 「孤立剣残月」  59分
藤沢周平 「女難剣雷切り」 48分 
藤沢修平 「隠し剣鬼ノ爪」 1時間3分

朗読はこのところ聴いていないのですが、池波正太郎の「剣客商売」と、平岩弓枝の「御宿かわせみ」シリーズを幾つか聴いてそのあまりの面白さに参ってしまってました。これはいずれ本も読む事になりそうです。

どっちもテレビドラマを見てなかったので、そのあまりの面白さに舌を巻きました!

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ああ、まだ時代小説の沼にはまりたくない・・。(笑)


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この記事へのコメント

2021年07月17日 10:03
ごみつさん、こんにちは。
時代小説はほとんど読んだことがないのですが
読んでみたいなーと思っているジャンルです。
エンターテイメントとヒューマンドラマを兼ね備えていて
楽しく、興味深く読めそうですね。

「御宿かわせみ」は、そういえばドラマはいくつか見たことがあるし
記憶に残っているエピソードもあります。
「武士の一分」(映画)も好きです!
見る前はキムタクが時代劇?っていぶかりましたが
彼はやはり魅せますね。
壇れいさんの清楚な佇まいも心に残っています。
ごみつ
2021年07月18日 00:41
セレンディピティ さん

こんばんは。
時代小説は安定して人気のある一大ジャンルなんですよね。
舞台が現代じゃないので、ちょっとしたファンタジー感もあって、凄く読みやすいのです。

人気作家も多くて巻数も多いタイトルが多いので、あんまり手をつけたくなかったんですよね。(笑)
朗読がらみで、その面白さにすっかりはまってしまいましたが、ボチボチといこうと思います。

「武士の一分」ご覧になったんですね!キムタクがおもいがけず良くってビックリしました。
彼ももっとこういう歴史ものやれば良いのにな。(*'▽')
2021年07月18日 06:37
ごみつさん

時代劇、小説は司馬遼太郎のも余り読んだ事がありませんが、映画化して役者ぶりが映えると言うか、普段から剣の稽古をしたり、いざと言う時に備える。剣は男ぶりも上げるものなんでしょうね。藤沢周平と言えば、日々平安でしたか、黒澤映画にも題材となってますよね。

「隠し剣、鬼の爪」も見ましたが、「用心棒」の三船敏郎に日本刀の白金が似合うと言うか、火花のような日本刀がファッションのアイテムにして、生命や正義や、想いが掛かっている、と思います。日本刀を振るうと、アクションで俳優の体力が明らかになり、また、場を収める技も凄いと思います。

「武士の一分」の木村拓哉さんも、揺蕩う如きフリースタイルも、やる時はやるカッコ良さがありましたね✨
ごみつ
2021年07月19日 01:45
隆 様

こんばんは。

時代小説もなかなか面白いですよ。
司馬遼太郎さんは、どちらかというと歴史小説が多いのかな。

藤沢周平や、映画「用心棒」の原作を書いた山本周五郎なんかが、おおむね江戸時代を舞台にした人間ドラマ中心の小説で面白いです。

現役の作家さんだと、映画にもなった「居眠り磐音」を書いた佐伯泰英さんが超人気なので、いずれ私も読んでみようと思ってます。

日本刀ってよく考えるとめちゃくちゃ怖いですよね。(;^ω^)
ただ侍の生き方の美学を表現するためにはなくてはならないものだと思います。

「武士の一分」、素晴らしい映画でしたね。もう一度みなおしたくなりました。

kinkacho
2021年07月19日 07:11
ごみつさん、こんにちは。
大家の短編ってスゴい濃密度ですよね。今の時代劇作家には無いの凄みです。
「かわせみ」シリーズはkinkachoの推しですが、かわせみだけにして下さいね。新は作家の耄碌度が出て悲しくなります。
ごみつ
2021年07月20日 00:17
Kinkacho さん

こんばんは。
ホント、時代小説のビッグネーム作家の作品の質の高さにはビックリするし、これ読んでると、最近の現代作家の作品が軽すぎて読めなくなりますね。それと文章の味わいとか、人物造形とかもうもろもろレベルが違います。

「かわせみ」シリーズはいずれ是非、書籍で読もうと思ってますが、新シリーズはダメなんですね?それはちょっとガッカリしますね・・。ちょっと調べたら新シリーズは明治なんだ・・。これは難しそうですね。