最後の決闘裁判

The Last Duel
2021年/アメリカ (監)リドリー・スコット
(演)マット・ディモン アダム・ドライバー ジュディ・カマー ベン・アフレック マイケル・マケルハットン アレックス・ロウザー マートン・ソーカス
☆☆☆★★★

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https://www.20thcenturystudios.jp/movies/kettosaiban

今なお真相は闇の中と言われる一つの強姦事件を巡り、中世フランスで実際に行われた決闘裁判をリドリー・スコット監督が映画化した歴史ミステリー。妻が強姦されたと訴える夫と、犯人とされた夫の旧友が、群衆が見守る中、互いの正義と命を懸けて繰り広げる決闘裁判の行方をミステリアスに描き出す。(allcinemaより)

お休みの日、007を見に行くつもりだったのですが、先週末に見たい映画が一気に公開になってしまい、最も早く公開が終わってしまいそうなこの作品を先に見てまいりました。

いや、まあ何から話すべきか迷うのですが、まずは一言、リドリー・スコットの作劇の上手さには本当に舌をまきます。彼の映画をとりあげる度に語ってますが、リドリー・スコットは一流のクリエイターでありながら、超一級の職人監督でもあるんですよ。これは何度でも語っていきたい!

とにかくこの手堅さは本当に凄い。映画のテーマをきっちりと掴んでそれを映像化していく手腕の見事さ。私が観た範囲では、中世ヨーロッパを描いた作品としては最高の作品かもしれません。

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舞台はフランス。1386年、百年戦争のさなか。とある女性が一人の男に強姦される。当時、女性は男性の所有物であり、法律的には今で言うとペットみたいな存在で、傷つけたり殺してもほぼ器物破損くらいな罪にしか問われない。

これを重罪に問うかどうかは、女性を所有する男性次第。ほとんどの女性が口を閉ざして泣き寝入りする中、主人公は暴行罪を声に出し、夫はそれにこたえて決闘裁判を申し出る。

当時フランスでは決闘は禁止されていたが、フランス国王シャルル6世より決闘の許可を得る。

脚本はマット・ディモンとベン・アフレック。この映画、主役の3人の視点から描いた真実が描かれていて、まんま「藪の中」なんですが、実際脚本の2人は黒澤明の「羅生門」に強く影響をうけて物語を構築していったそうです。

で、昔、「デュエリスト」を撮影した事のあるリドスコに話を持っていったそうですが、私は恐らくはリドスコが「テルマ&ルイーズ」を撮影していた事も抜擢の理由ではないかっていう気が個人的にはしています。

と言うのも、この映画は歴史劇の形を借りながら、男性の持っているマッチョイムズの愚かしさと、女性が感じる絶望感をテーマにしているのが、ありありと感じられたからなんですよね。

まあそんなめんどくさい事は考えなくても、歴史ミステリー映画として秀逸です。「藪の中」は誰が真実を話しているのかがわからない物語ですが、この映画は3人の中、それぞれの真実が描かれていくのが斬新で、2時間30分の長丁場がまったく長く感じられませんでした。

なかなか重たい作品でもあるし、中世の描写も本格的なので、歴史劇がお好きでないとちょっと厳しいかもしれませんが、映画としてはめちゃくちゃお勧めです!

キャストの演技も最高。ベン・アフレックも「バットマン」なんかよりず~っと良かった!

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尚、なんとこれはディズニー映画(20世紀スタジオ)なので(笑)、もうちょっとするとディズニープラスで配信されそうですよ~。


最後の決闘裁判 (ハヤカワ文庫NF) - エリック ジェイガー, 栗木 さつき
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この記事へのコメント

2021年10月19日 08:33
おはようございます。

観たい映画ってどうしてこんなに重なるんでしょう~!!
私もこれすっごく気になっています。スコット監督で!しかも中世!!こだわりの世界観がめちゃめちゃ広がっていそうですネ。掲げる旗ひとつでもこだわりますものね、監督は。
黒澤っぽいですね~、3人三様の視点、キャストもすごくイイ。アダム・ドライバー好きなんですよ(笑)

そしてなんと!驚き!これディズニーなんですか!?ビックリです。
プラス入ってて良かった(*^-^*)絶対観ます。
ごみつ
2021年10月20日 01:46
瞳 様

こんばんは。

今、見たい映画がたくさん公開中で焦ってしまいます。(;^ω^)
次は「デューン」を見るつもりだったのですが、時間の都合で、昨日は「燃えよ剣」を見てきました~。これも良かったですよ。

「最後の決闘裁判」、凄く良かったです。「羅生門」みたいな構成になっててミステリー度もあがってて楽しめました。
リドリー・スコットは本当に良いですよね。もう80代なので、いつまでも健康でがんばって欲しいです。
来年早々に「ハウス・オブ・グッチ」があるのでこちらも楽しみです。

キャストは全員良かったですよ。アダム・ドライバーが好きだとラスト、ちょっと辛いかも。^^;
主人公の女性を演じたジュディ・カマーは先日見た「フリー・ガイ」のヒロインの人で、彼女凄く良かったです!

ディズニープラスで配信はじまったら是非。
kinkacho
2021年10月20日 20:03
ごみつさん、こんにちは。
レビューをお待ちしていました。
久しぶりに歴史ものを見たなと満足する作品でした。
この話の当時の社会的背景も知りたくて、本も購入しました。明日着くので楽しみです。
ここに来て見たい映画がまとめて封切りされて忙しいですよね。
ごみつ
2021年10月21日 01:52
Kinkacho さん

こんばんは。

ホント、なんちゃって中世、ファンタジー中世じゃない本格的な歴史劇は久しぶりな気がしました。
加えて作劇が「藪の中」だったので、物語も楽しめましたよね。

あのあたりの時代、英国側はシェイクスピアがあるけど、フランス側って私は全然知らないので、本を読んでみたくなりました。
購入した本、楽しめると良いですね。(*‘∀‘)

記事にアップした半分顔が見えてるメットは、役者の表情がわかる様にとリドリー・スコットが考えたんだそうです。
ホントにああいうのがあるのかと思った。(;^ω^)
2021年10月21日 23:34
ごみつさん、こんばんは。
この映画、私も予告を何度も見て気になっていました!
実はアダム・ドライバー、好きなので。^^
マット・デイモンが出ているのは知っていましたが
ベン・アフレックは気がつきませんでした。
(右の特徴的なあごは、ベンだったのですね)
リドリー・スコット監督ということで
グラディエイターぽい映画かな?と思っていました。
マット&ベン脚本といえば、大好きなグッドウィルハンティングのコンビだし
人間ドラマとしても深そうですね。
ごみつ
2021年10月22日 02:02
セレンディピティ さん

こんばんは。

ベン・アフレックは、私も出演してるの知らなくて、映画の途中でこれはベン・アフレックだな!!と気が付きました。今まで見た事のない様な役で新鮮でした。

歴史ものだけど、「グラディエイター」とはまた全く趣の違う映画でした。3人3様の真実が語られて、「羅生門」みたいで凄く面白かったです。
実話ベースなんですが、ミステリアスな展開で、堅苦しい史実ものになってないのが良かったな~。

動画の配信がはじまりましたら是非。(*‘∀‘)
2021年10月28日 16:04
こんにちは。
どうしても観たくて遠出して劇場行ってきました!!

スクリーンで観れて良かったです。
監督職人芸の世界観の構築、映像美、迫力すごかったですね。

3人三様の真実も、それぞれの側からの真実でなるほどなあ~って興味深くて、
そして何百年も昔のお話なのに、今に通じる普遍性もあるところも面白いですよね。

キャストもみんな良かったです。
そうそう、ベン・アフレック!!遊び人似合ってた~(笑)
アダム・ドライバーもセクシーでした、最後はうわ~~っでしたけど(>_<)
ごみつ
2021年10月29日 02:16
瞳 様

こんばんは!
わ~、劇場で鑑賞されたんですね。良かったですね。

本当に素晴らしい作品なのに、テーマや歴史舞台の設定のとっつきにくさもあってか、あんまりヒットしてないみたいなんですよね。(>_<)

これほどの作品にはなかなか出会えないと思うので、勿体ないですよね。

古い時代でありながら、テーマ性はとても現代的でもあるので、たくさんの人に見てもらいたいです。

リドリー・スコット監督の次回作「ハウス・オブ・グッチ」にもアダム・ドライバー出ますよね。楽しみだな~。( *´艸`)